倣い加工のやり方

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やり方

倣い加工で型どおりに【トリマー&ルーター】で簡単に複製できる木工技術のやり方

今回は「倣い加工」についてのお話。

馴染みのない漢字だけど、倣い(ならい)って読むよ。

簡単に言うと、テンプレート。

そのテンプレートがガイドの役割を果たしてくれるので、テンプレートがあればいつでも同じものを複製できる。

特に曲線がある部材を毎回1から作るのは面倒だよね。

倣い加工は「型に倣う」って意味。

小さい頃「前へ倣え」とかやんなかった?

この場合「型へ倣え」だね。

椅子を作る職人がよく型を取り出して写しているのをテレビとかで見たことあるかな?

その型が倣い加工するために必要なものなんだ。

実際に型を作る所からやってみるので最後まで見てね。

動画で見るとわかりやすいよ!チャンネル登録よろしくお願いします。

型(テンプレート)の素材

MDF材

MDF材

MDF(Medium-Density Fiberboard)は、木材の削りくずや木工製品の残り物を圧縮して作られる合成木材。

一般的に、木材の繊維を樹脂で結合させ、高圧下で成形してるんだってさ。

MDFは木材よりも均一な質感を持ち、製品の形状に応じて簡単に切り抜けることができるため、家具や建築材料などの様々な用途で広く使用されてる素材。

合板とかベニヤに比べると表面がツルツルなのも特徴。

今回は、手元にあったのMDFで型を作ることにする。

型の厚みは5mmぐらいが丁度いいと思う。

手元にあったMDFは3mmぐらいしかなかったけど、今回はこれで作ることにした。

合板(ベニヤ板)

シナベニヤ

型はベニヤ板とか使う人も多いみたい。

ホームセンターとかにいくと「シナベニヤ」とかあるので、そういうやつでもいいと思う。

なぜ無垢材を型にしないのかと言うと、無垢材は伸縮するし、割れたり、曲がったり、反ったりするんだよね。

ベニヤも曲がったりするけど、無垢材に比べると可能性は小さい。

そもそも無垢材は価格が高いので型にするには勿体ない。

なるべく曲がってない部分を使って型を作り、使わない時はなるべく平な所において保管するのが大事。

立てかけたりして長い時間放置すると曲がったりするからね。

ベニヤの厚みは5mm程度、コロ付き(ベアリング)ビットのベアリングの厚みと同じか少し厚いぐらいがいいと思う。

無垢材については下記記事を読んで欲しい。

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厚みのある合板

合板

これは12mm厚の合板なんだけど、さすがに厚すぎると思う。

型としての使用は問題ないけど、加工が大変になるし、厚くなる分価格も高くなるので勿体ない。

型を保管する時にもかさばるので、おすすめしない。

型をつくる

型を写す

倣い加工の型を作っていきます。

型となる素材に必要な線を引いて、その線通りに型を作っていくんだけど、今回はすでにある型を写して作る。

倣い加工をしていると、思わぬアクシデントで型を削ってしまうことがあるんだよね。

そんな時のために最初に作った型はオリジナルとして、型を写す用にしておくといいと思う。

家の鍵も必ずスペアーを作っておくでしょ?それと一緒。

オリジナルがあれば、いつでも型を複製できるって訳さ。

型を写す

型をのっけて型を写す。

型を写す

こんな感じで型通りの墨付けが出来た。

型の切り出し

バンドソーで型の切り出し

バンドソーで墨線より1mm、2mm、余分を見て切り出す。

切り過ぎてしまったら失敗なので墨線を切らないようにしよう。

バンドソーについては下記記事を読んで欲しい。

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型の切り出し

墨線を切らないように型を切り出したよ。

レーザー加工機やCNCルーターとかがあれば、精度の良い型が出来ると思う。

が、個人で持つには敷居が高いんよね。

大きいサイズのレーザー加工機なんていくらするのやら。。。

でも欲しいなぁ。

DIYの幅が広がるんよなぁ。

ジグソー

バンドソーがない人は、ジグソーとかでもOK。

なるべく手早く切れる電動工具がいいと思う。

型の成形

板にペーパーを貼り付け

型を写した墨線まではペーパーで成形していく。

ベルトディスクサンダーとかでやると素早くできるんだけど、今回は手動でやってみる。

板にペーパーを貼り付けて、地味に削っていくことにする。

タックロールペーパー

このロールペーパーの裏には糊が予めついているので、そのままペタッと貼ることが出来るので超便利!

コバック タックロールペーパー

「KOVAX タックロールペーパー」ってやつ、サンドペーパーはこれ使い出したらもう戻れない。

木工で良く使う番数も各種揃ってるので必要に応じて購入するといいと思う。

80番、100番、120番、150番、180番、240番、400番、など。

スプレー糊

普通の紙ヤスリしかない場合は、裏にスプレー糊をつけると板にくっつけられるよ。

サンドペーパーで型を成形

型の縁はなるべく表面に対して直角を保ちたいので、こんな感じでペーパーをかけている。

ここが斜めってしまっていたりすると、型が裏と表で大きさが変わってしまったりして精度が悪くなる。

倣い加工は、この型通りに削れるので、時間はかかっても丁寧に型は仕上げよう。

加工する材に型を写す

加工材に型を写す

型が出来上がったとして、実際に加工する部材の上に乗せて型を写す。

加工材に型を写す

線がわかりやすいように赤ペンで写してます。

型を写した所

赤ペンで写したので線が太いけど、どの道余裕をみて切るので問題ないし、かえってこの方がいいかも。

バンドソーで荒取(あらどり)

バンドソーで荒取

型を作った時と同様、バンドソーで部材を切り出す。

線より1mm、2mm、大き目にカットする。

こういう大まかな切削を「荒取(あらどり)」って言ったりする。

電動工具の使用場面も適材適所で、このバンドソーはこの荒取を得意とするよ。

木工は大雑把な加工から、自分の欲しい寸法や墨線の近くになるほど繊細な加工方法だったり刃物を使用したりすると仕上がりが良くなる。

これは木工に限らず、金属加工なども同じで、最初は荒取用の刃物を使って、仕上がりに近づくほど細くて繊細な刃物を使ったりする。

物作りの基本といってもいいかもしれん。

バンドソーで部材の切り出し

こんな感じで墨線さえ切らなければ適当でOKだよ。

この後の倣い加工で型ピッタリに加工するから大丈夫。

加工材に型を両面テープで貼りつける

加工材に両面テープ

加工材に両面テープを貼りつけて紙を剥がす。

加工材に型を貼り付ける

型と加工材をくっつけるよ。

型からはみ出た部分

この型からはみ出た部分を型通りに倣い加工していく。

倣い加工

倣い加工

ルーターテーブルを使って倣い加工をしてく。

このルータービットは上下にコロ(ベアリング)がついているダブルベアリング。

型は下面に貼ってあるので、ベアリングが型に当たるようにビットを調整。

ベアリングが加工材に当たってしまうとまったく削れないので注意。

型にあたるようにすることで、型に当たるまで削れていく。

倣い加工

実際に型にならって削っていく。

倣い加工

少し削ってみたけど、型とピッタリに削れているのがわかるだろうか?

そして切削面がバンドソーで切ったところよりすごく綺麗。

曲線のある部材を毎回1から線を引いて、その線に合わせて加工を複数回やったとして、ここまで精度良く出来るだろうか?

おそらく出来ない!

型なんか作らないでもCNCルーターとかでやれば簡単じゃんって思うかもだけど、CNCルーターとかは結構時間がかかる。

型さえあれば、この方法のほうが早いで!

まぁ個人で大型のCNCルーターなんか持ってる人は皆無だと思うが。

倣い加工

倣い加工で、部材が綺麗に形になっていくの気持ちええ~。

型を剥がす

型をはがす

倣い加工が終わったら両面テープでくっつけた型をはずす。

型の両面テープをはがす

倣い加工した部材は作品に使うパーツなので両面テープを綺麗にはがす。

普通の両面テープは、はがしづらい

普通の両面テープを使うとこんな感じで剥がすのに一苦労する。

はがせる両面テープ

倣い加工で型を貼り付ける時は、「はがせる両面テープ」ってのが売ってるから、それ使った方がええで。

はがせる両面テープは、その商品名の通り剥がすのが簡単。

はがせる両面テープは、はがしやすい

メーカーはなんでもいいと思うけど、自分で必要な幅とかで選べばいいんじゃないかと思う。

まとめ

倣い加工した複製部材

型と同じ形状の部材が出来たよ。

倣い加工で部材を複製

この型を使えば、高い精度で同じものが複製できる。

倣い加工が終わったら、ベルトディスクサンダーなどで仕上げる。

なくても板にペーパーを貼って手で仕上げるでも大丈夫。

直線的なものなら型を作るほどじゃないけど、曲線がはいると話は別。

倣い加工ができると、作る物が直線的なものばかりじゃなく、デザインのアイデアに曲線も選択肢に入ってくると思うのでDIYの幅が広がる。

「こんなの作れるんだぁ」とか言われるけど、実は型があるからそれほど難しくないんだよねぇ。(なんて心の中で思う。)

「型へ倣え」をぜひやってみてね~。

今回は「倣い加工」についての解説でした。

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