手で引くノコギリをガイドを使わず木材を真っすぐ切るのって難しいですよね。
僕は電動工具で材料をカットすることが多いので、そこまでノコギリの使用頻度は高くないのだけど、それでも手鋸を使う場面ってのは、ちょいちょいある。
そこで、手鋸用に真っすぐ切るためのガイド(治具)を作ることにしました。
余った材料で簡単に作れるので、手鋸を良く使う人は参考にして欲しい。
詳しい部分は動画を見てください。チャンネル登録よろしくお願いします。
目次
手鋸で真っすぐ切るのは、なぜ難しいのか?
画像で見るとわかるように、先端を指で持って動かすとノコギリは薄い鉄板のようなものなので簡単にしなるんです。
ノコギリの柄を持って左右に振ると鋸身がビヨンビヨンって激しく振れる。
このように簡単に鋸身が動いてしまうものを使って、真っ直ぐに木材を切るなんて無理ゲー。
ガイドを使わずなるべく真っすぐに切るときは、画像の「胴付き鋸」ってやつを使う。
ノコギリの刃の反対側の背中部分に補強金具がついているので鋸身が左右にブレにくくなっている構造。
ただ、厚みのある木材を切っていくと背中の補強金具が当たってしまい、それ以上切ることが出来ない。
なので、厚みのある材料を切断するってよりは細かい造作に向いている鋸。
ただ、この鋸を使ったとしてもガイドを使わずに真っすぐに切るのは結構難しいんだよね。
なので、DIYで木材を真っすぐに切るにはガイドを利用した方がストレスが少ないって訳だ。
のこぎりガイドに使う材料
のこぎりガイドを作るにあたっての材料はランバーコアが余っていたので、これを利用して作ることにしました。
厚み21mmのランバーコア。
もうちょっと薄い12mm厚の合板とかでも大丈夫だと思うけど、反ったり曲がったりしている部分もあるので、なるべく曲がりがない部分を切り出せばOK。
ガイド製作だけに材料を買うのもあれなので、余った材料があれば、それを使えばいいと思う。
ガイドにする部材の切り出し
ガイドに必要な幅でランバーコアをテーブルソーで切り出します。
自分はテーブルソーを使いましたが、なければ電動丸ノコとかでもOK。
幅120mmでカットしました。
使用しているテーブルソーについては下記記事を見て欲しい。
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必要な長さにカットするのはテーブルソーに自作の横切り治具(クロスカットスレッド)でカットしました。
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長さ200mmと長さ120mmで一つずつカットしました。
のこぎりガイドの支え部分の材料を切り出し。
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のこぎりガイドの組み立て
ボンドを塗って接着。
ボンドはタイトボンドⅢを使用しました。
ハタガネで圧着して固めて乾くのを待ちます。
ガイド部分が直角じゃないと、ガイドとしての精度が悪くなるのでボンドが乾く前に直角を確認して、直角になっていないようなら修正。
ボンドが乾いたらビスで止めていきます。
最初にビスを打つための下穴をあけました。
ビスの頭を引っ込めたいので皿取りカッターで皿を取っておきます。
ランバーコア材は中の芯材がファルカタ材?のような柔らかい木材なので、ビスの頭が入る時に負荷がかかるとビスが空回りして中の芯材がグシャグシャになるのでビスが効かなくなることが多々あります。
※ランバーコア材で何か作る場合は皿取りをしっかりした方がいいと思う。
ビスで止めた後はビスが出っ張ってないか確認しました。
この部分はノコギリを当てながら切るガイド部分になるのでビスが出っ張っていると精度が出ません。
ガイド部分がグラグラすると真っすぐ切ることが出来なくなるのでガイドの支えを取付けます。
ボンドを塗って乾いたら支え部分もビスで止めます。
この状態でも「のこぎりガイド」として使用することは出来るのですが、より真っすぐ切れるようにマグネットシートを貼ります。
ガイドにマグネットシートを貼る
マグネットシートってのはこういうやつね。
これはダイソーで100円ほどで売ってたやつ。
裏の紙を剥がせば粘着シールになっているので、必要な大きさにカットして貼るだけ。
同じマグネットシートが欲しい人はダイソーで購入してね。
下記に商品リンクを貼っておくけど、使ったことはないので自己責任で。
ガイド部分の大きさに合わせてカッターで切ります。
この時、カッターマットがあると切りやすいです。
裏の紙を剥がせばすぐに貼れます。
マグネットシートには粘着シールになってないものがあるので、片側が粘着シールになっているやつがおすすめ!
貼るときはマグネットシートがヨれないように貼るだけ。
はい完成!
ノコギリがマグネットシートにピタっとくっつく。
なので強制的にノコギリが真っすぐに引けるって訳さ。
のこぎりガイドを使ってみる
切りたい木材にスコヤを使って真っすぐの線を引く。
線を引いた部分にガイドを合わせる。
切りたい材料とガイドをクランプで固定。
ガイド部分にはマグネットシートを貼ってあるので、のこぎりはガイドにピタッと密着。
密着しているのを感じながらノコギリを引いて木材を切っていきます。
のこぎりガイドに沿って木材が切れてますね!
スコヤで切断面の直角具合を確認。
いい感じに直角が出てます!
ガイドを使わずフリーハンドで切ったら中々こうはならないんすよねぇ。
斜め45°でカットする場合。
留め型スコヤなどを使って45°の線を引く。
45°で引いた線にガイドを合わせてクランプで固定すればOK。
使ってみた感想
ノコギリを動かすのが重い
マグネットシートの磁力のせいでノコギリを動かすのが重いですねぇ。
そのおかげで真っすぐを担保出来るってメリットがあるのだけど、そのせいでノコギリを動かすのが重くなるってことだね。
最初は少し気になるけど、慣れれば問題なく使えるし、何より木材を真っすぐに切れるのであれば多少は我慢といった感じ。
どうしてもノコギリを動かすのが重いって場合は、画像のように一面をマグネットを貼るのではなく、マグネットを細かく切って、間隔をあけて貼ることで解消できると思う。
ノコギリの「あさり」によるダメージ
今回は「あさり」アリのノコギリを使用したのだけど、ノコギリの先端の「あさり」がマグネットシートを傷つけてしまう。
なのでダメージが大きくなったら交換。
マグネットシートは消耗品と考えた方がよさそうだね。
今回購入したマグネットシートはダイソーで100円ほどだったのでコスパはいいと思う。
ノコギリの「あさり」については下記記事を見て欲しい。
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マグネットシートにダメージを残さず長く使いたいって場合は、画像のように「あさり」が当たる部分を少し残してマグネットシートを貼るって方法もあると思う。
こういう風にマグネットシートを貼って、木材を切る時にノコギリを平行に動かせば、「あさり」部分がマグネットシートに触れないので、長く使用できそうだね。
直角ガイドに特化するには
作ったノコギリガイドの側面にフェンスを取付ければ、いちいちスコヤとかで線を引かなくても木材にフェンスをあてがうだけでガイドが直角になります。
画像のように木材にフェンスを当てるだけでガイド部分は直角になる。
このフェンスは下が少し出っ張るようにします。
この出っ張り(引っ掛かり)は人それぞれだけど、切りたい木材の厚み以上になるとガイドが密着しなくなるので、5mm~15mmぐらいの間にするのがいいと思う。
そもそも、ノコギリの鋸身が木材の中に完全に入ってしまうような厚みを切る時は、鋸身が木材に完全に入った時点でガイドは意味がなくなります。
現実問題4cmぐらい厚みぐらいまでなら真っすぐ切れるけど、それ以上となると多少精度は悪くなると考えます。
なので、このフェンスの引っ掛かりを4cmとかにしてしまうと、それ以下の厚みを切る時にやりずらくなるので注意。
まとめ
僕は上の写真のような電動工具があるので、多くはこれらの機械で木材をカットするのですが、手鋸の出番もちょこちょこあります。
何よりノコギリを使ってる時って、物作りをしてる充実感を感じられます。
趣味のDIYでは別に電動工具に頼らなくても手鋸だけでも木工は楽しめます。
まぁ、多少時間はかかることは否めないけど。
なので、電動工具はなく手鋸だけで作りたいって場合は、のこぎりガイドは必須です。
それほど作るのに手間はかからないので、まだ作ってないって人はぜひ作ってみてください。
このガイドのために新たらしく材料を買うのもあれなので、余った材料などで作るのがいいと思いますよ~。
ちなみに、のこぎりガイドにマグネットシートを貼るってアイデアは、「超画期的 木工テクニック集」って本の中で紹介されているものを参考にしました。
この本の著者は「電動工具に頼らずに熟練職人の技術を再現する」をコンセプトにしていますので、電動工具を持ってない人にもおすすめです。
手鋸や手鉋、便利な自作治具などを使用した作品作りのやり方がわかります。
最初に読むならこれがいいと思います。
中級~上級者は、手鋸や手鉋で本格的な組手を使った木工のやり方などを学びたいのなら「徹底図解 手工具とジグで実現する 木組みの完全テクニック」がおすすめです。
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