木表と木裏

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木のこと

木表と木裏の見分け方!木は反ったり縮んだりを解説。クセを知ってDIYに活かそう。

無垢の木材は反ったり曲がったりする。

「ホームセンターで木材買ってDIYしてるけど気になったことはないよ」って人もいるよね。

ホームセンターで売っている木材で大きい板なんかはブロック状の集成材が多い。

ニレタモ集成材

集成材は、木表も木裏も関係なく幅が狭く長さも短いブロック状の木を接着させて出来ている。

小さいブロック状の木はそれぞれ行きたい方向に動きたいわけだけど、木裏木表がバラバラで動きたい力が分散されることで結果的に相殺されるから曲がりにくいってことなんじゃないかと思っている。

ブロックの継ぎ目をずらしていることも狂いが少なく強度が出る理由だと思う。

ホームセンターでは、一般の人が木本来の曲がり反りなどの狂いで困らない扱いやすい木材を置いているとも言えるんじゃないかな。

もちろん集成材だって反るけど比較的動きは小さい。

知ってしまえば、それほど難しいことじゃないし、知っていればDIYの中でも活かせる場面は多いと思う。

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板が反る理由(木表と木裏)

木を伐採している画像

木が伐採された直後は、たくさんの水分を含んでいる。

人間だけではなく、植物だって生きていくには水分が必要だからね。

そこから数カ月で急速に水分が抜けていって30%前後で一旦落ち着くらしい。

おおよそ70%ぐらいの水分が抜けるわけだけど驚くことに、この段階では木材の収縮に変化はないらしい。

材木屋さんに聞いたところ含水率が大体30%ぐらいになってからの水分がなくなっていく過程の時がもっとも収縮が激しいって言ってた。

木の反る方向

丸太を真っ二つに切断したとしたら、樹皮の方向に向かって曲がっていく性質がある。

乾燥するにしたがい図のように木材が動くってことを覚えておこう。

DIYでも、木にこういうクセがあるって知っていれば、「それを踏まえてどこに使えばいいのか」がわかると思う。

木が木材になるまでの説明

木を伐採した木材は根っこに近い方を元口、上の梢の方を末口と言う。

※梢(こずえ)とは、木の尖端を指す。

板目と柾目解説画像

①が板目、②が柾目と呼ばれます。

柾目は一本の丸太から取れる量が少ないので必然的に希少価値があるとされていて価格も高い傾向にある。

板目と柾目の解説画像

上の画像は丸太を四角く製材したイメージ。

材の外側、つまり樹皮に近い方を木表。

丸太の芯に近い方が木裏。

板材に切断した断面を見れば木表か木裏がわかる。

※中にはわかりずらい木材もあるよ。

柾目はカットされた部位により木表と木裏がきまり、芯材から遠くが木表になる。

柾目と板目解説画像

木材は木表の方向に反りやすいという性質があるよ。

木は木表の方向に反りやすい。

木は収縮するものだけど柾目は反りにくく板目は反りやすいという性質がある。

自分の感覚だけど柾目だって反るけど、板目の方が反りの力が強いってイメージだ。

高級家具を作る時に好まれるのは柾目だけど希少性で価格も高い。

DIYにおいて、すべてを柾目で作るというのは現実的ではないし、その必要もないと思う。

荒々しい木目を好む人も多いし、自分も均等に真っすぐで整った柾目より雰囲気のある板目の方が好きかもしれない。

木材の反りを利用するため意図的に使うこともある。

  • ウッドデッキ
  • 家の梁
  • 天井下地
  • 土台

人の目に見える所は「木表」を使うってのが基本なんだけど、ウッドデッキなんかは木表を使うと雨が降った時に水はけが悪くなってしまう。

水が溜まって腐りやすくなったりする。

家の梁、天井下地なんかは、今は真っすぐな木材だとしても(将来的な反りムクリを考慮にいれて)木裏を上にして使うことで、屋根の重さ側に力が加わるようにしてある。

土台は逆に下側に反るようにして置くことで、床の変形などを防止する効果がある。

木の収縮

テーブルの幕板説明画像

テーブルの天板みたいに大きな無垢の板を使う場合は、四角で囲った幕板(まくいた)に取付けることで板の反りを構造的に曲がりたいけど曲がれない状態を作りだす必要がある。

無垢の板は取り付けてからも、木の収縮がおこるんだよね。

ビスでそのまま止めちゃうと、動きたいのに動けない状態になる。

板の反りは幕板に取付けることで防止できるけど、収縮には対応できていない。

板の収縮説明画像

板の小端を長さ方向(木目方向)は、ほとんど伸縮はおこらない。もちろん全然ではないが1m未満のものを作るにあたっては気にする必要がない。

それよりも考えなければいけないのは板の木口方向の伸縮だよ。

自分がよく使用して杉の板で言うと大体1%縮むと言われている。

伸び縮みを繰り返し最終的には1%ぐらい。

昔の箪笥で背板が杉で出来ているのを見たことがあるが、何か所も割れていた。

その割れの隙間を足してみたが1cmちょっとだった。

背板の横幅が約1mぐらいだったことからして、やはり1%ぐらいは縮む。

木材はただ縮んでいくだけじゃなく、湿気が多いときは逆に少し伸びる時もある。

だから、テーブルの天板などの取り付けは、伸び縮みを妨げない取り付け方法が好ましいってことになる。

伸びたり縮んだりを繰り返しながら最終的には1%ぐらいは縮む。

この1%とは杉にはよく当てはまるけど、樹種によって収縮の度合いは違うから気をつけるように。

テーブル天板などはビスを止めた所が3m~4m動けるようにしておけば大体大丈夫だと思う。

間違った箱組み説明

テーブル天板を取り付ける時は木の伸縮を妨げないってことが大事なのはわかってもらえたと思う。

本棚のような箱組みでつくる場合は、天板の木目に逆らうように側板を取り付けてはいけない。

天板は伸縮するのに対して、側板は伸縮しない向きになってしまう。

その結果、縮みたいけど縮めない、湿気を帯びて伸びたいのに伸びられないってことになる。

正しい箱組みの説明

正しい箱の組み方をすれば天板も側板も同じように伸縮する。

大体家具って箱物が多いんだよね。

これさえ間違ってなければヒドイことにはならないと思う。

脆い箱組みの説明

もっともやってはいけない箱組みがこれ。

確かに木の伸縮方向としては合っているが、板の強度的に問題がある。

木目(木の繊維)が横に使われていないのが問題だ。

画像のような作りであれば、力に自信のない私でも中心に空手チョップをお見舞いすれば簡単に割れてしまうと思うよ。

そもそも、空手の試し割りの板は木の繊維に沿って割れるんだよね。

木の繊維に逆らって割るのは人の手では難しい。

たとえ3cmぐらいの板を使ってたとしても、人が座っただけで割れたりするから、とても危険な作り方だ。

木材の向きによる強さの説明

板は木目の繊維方向に強く、木目の繊維の幅方向は弱い。

これを知っていれば、本棚、テレビボード、飾り棚、を作る時なんかに、どっち向きで使えばいいかわかるよね。

順目と逆目(ならいめとさかめ)

順目と逆目の説明

木材には順目と逆目がある。

木の仕組み解説画像

上画像は、地面から木が生えている感じで見て欲しい。

丸太の赤四角の部分を右に切り出したと見てね。

まだ伐採してない樹木の木肌を見てみると、木肌ウロコみたいになって上から下にかぶさっているのを見たことはないだろうか?

樹木の樹皮は一番外にあるのだから木表ってことになる。

もし樹皮を削るなら上から下になる。

木材はその樹木を伐採して丸太から板に製材されているだけで木の向きなどのルールは変わらない。

なので、木表と順目がわかれば、どっちが元口で、どっちが末口だったかわかるってことだ。

順目と逆目を知ると、鉋掛けの方向がわかる。

順目の通り削れば綺麗に削れるし、逆目の方向に削れば木目の抵抗にあい切れないカンナを使うと逆目の後が残る。

指の爪の所にササクレが出来て自分でむいたことはないだろうか?

指のササクレで考えると、当たると痛いほうが逆目ってこと。

木材もササクレになりやすい方が逆目と考えるとイメージしやすいと思う。

木材の乾燥について

ここまでで木材は反り、曲がり、ネジれ、伸縮、などがおこることがわかったと思う。

それらを考慮して作ることも大事だけど、木材が良く乾燥しているってのも重要、ってか最重要。

みんながDIYで買うホームセンターの木材は大体乾燥してから商品として並んでいるので大丈夫だとは思うけどね。

ただ、ホームセンターにも乾燥が不十分な木材も売っている。

ホームセンターでは乾燥状態に応じて

  • KD材 (人工乾燥)
  • AD材 (天然乾燥)
  • グリーン材 (乾燥が不十分な木材)

で表記されるようになっている。

間違ってもグリーン材は買わないようにしよう。

名前だけ見ると「天然乾燥」が1番良さそうに見えるけど、家具作りに向くのは「人工乾燥」って言われている。

※こだわりの無垢の家具工房などをしている人は荒材で購入して天然乾燥まで自分でやる人もいる。

木材の水分率

木材の水分率ってどのぐらいが妥当なの?

家具で使う木材なら9~14%ぐらいって言われてる。

樹種によっても油分の多い木材は適正値がもう少しあがるかもしれない。

タモの荒材の含水率を測っているとこ

試しに10以上前に購入したタモの荒材の含水率を含水計で測ってみた。

結果は「12.6%」。

よく乾燥しているがわかる

ヒノキの含水率を測っているところ

次にヒノキの角材の含水率を測ってみた。

結果は「10.4%」。

こちらも良く乾燥しているのがわかる。

わざと濡らして水分率を測っているところ

木材の中ではファルカタ材の次に軽くて柔らかいと言われている桐で試してみる。

通常時の計測は「8.8%」だった。

それをわざと濡らして計測してみた。

結果含水率は「16%」になった。

画像の中で使っている含水計は中国製の安物だけど、そこそこ信頼できそうな感じだ。

木材の反りをなくすには

1枚の無垢の板を放って置いたら反ってくる。

良く乾燥した木材なら反りは比較的少ないが、普通の人はどれだけ乾燥していて、どのくらいが適正なのかはわからないよね。

その場合、反りをなくす(軽減)させる手っ取り早い方法がある。

  • 塗装する
  • ニス、ラッカー、ウレタンなどで表面保護をする

木材の反りは水分変化によっておこるものだから、塗装により表面を固めてしまうことで木の呼吸を妨げることで反りがなくなったりする。

アクリル系のペンキで塗装する場合は木の呼吸は出来なくなるので反りは出にくい。

表面を保護してしまうと木材の水分変化が起こらないから結果として反りが出ない。

オイルフィニッシュなどは木の呼吸を妨げない塗料と言われているけど、塗料である限りある程度は表面保護はしていると思う。

何も塗装していない板と、オイルフィニッシュを塗ったので比較をした場合は、おそらくオイルフィニッシュを塗った方が反りがでないと思われる。

オイルフィニッシュで塗装する場合でテーブル天板などに塗る場合は、表も裏も塗装する必要がある。

片面だけだと表と裏で塗料を塗ることにより水分変化がおこるから、かえって反る場合もあるから気をつけよう。

まとめ

木材は十分な乾燥が必要で、木材の反り、伸縮、などがあるってことがわかったと思う。

知ってしまえば簡単なことだし、DIYにも十分活かせるんじゃないかな。

無垢の板にしかない魅力もたくさんあるからDIYにも使用していきたい。

自分は広葉樹とかの無垢材を使う時はマルトクショップを利用している。

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