木工DIYの中では丸ノコと同じぐらい普及しているであろう「トリマー」。
トリマーを使って加工する時、皆さんはどんなことを意識して使ってる?
手軽に使える電動工具だけど、基本的な正しい知識や使い方は、安全な作業に繋がるので、とっても大事!
基本的なことは今更恥ずかしくて人に聞けないってこともあると思います。
トリマー初心者には必見!、トリマー中級者の人は復習の意味を込めて読んで欲しい。
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目次
良く使うトリマービット
トリマーに取付けて使えるビットの種類は沢山あるんだけど、そんなな中でも初心者が最初に持ってると便利だと思うビットを紹介。
全部揃えようとすると金額も高くなるので、無理せず自分の必要に応じて揃えていけばいいと思う。
切れ味がどんなもんかはわからないけど、安いビットセットを購入して最初は使うのもアリかも。
ストレートビット
ストレートビット8mm
トリマーで使える軸径6mmのストレートビットで刃幅が8mmのビット。
太すぎず細すぎないので溝幅に制約がない場面などは基本的にこれ使ってる。
ストレートビット12mm
刃幅の直径が12mmなので12mmの溝を掘ったりできる。
これで溝を掘れば12mm厚の規格材とかピッタリとハマる。
例えば100mm幅の溝を掘りたい時に細いビットで何回も切削するよりも時間の短縮になる。
ストレートビット1枚刃5mm
4mm~5mm厚のベニヤを引き出しの底板をはめ込む溝を掘る時なんかに使える。
同じく4mm~5mm厚のベニヤを背板にする時、はめ込むための溝を掘ったりする時に使える。
引き出しの底板や背板は厚いものだと重くなるので、4mm~5mmぐらいのシナベニヤとかを良く使うので、そんな時に重宝する。
エンドミル6mm(4枚刃)
このエンドミルは本来は金属加工で使われるものなんだけど、軸径6mmならトリマーに取付けて木工のスパイラルビットとして使用できる。
ストレートビットと比べると良く切れて、ものによっては値段が安い傾向がある。
値段が安いから使えないって思うのは間違いで、金属加工の刃っていうのは産業としての需要が高いので量産される。
なので1個あたりの単価が下がるってだけで、ものはいい。
最近はDIY界隈でも流行ってる気がする。(使ってる人多し)
ストレートビットと比べると明らかに切削が滑らか。
面取りビット
面取りビット45°
こんな感じに45°の面取りをすることができる。
主に見た目の装飾になるような加工を得意としたビット。
テーブル天板なども、長方形の板そのままよりも面を取ると仕上がりイメージが変わる。
ビットの突出し量を調節することで、小さい面にしたり大きい面を取ったりすることが出来る。
45°に真っすぐな面を取るので仕上がりはカッコイイ感じになると思う。
ボーズ面ビット(丸面ビット)
ボーズ面ビットで加工すると板の端を丸く加工することができる。
直線の面取りに比べて、優しい・可愛い、仕上がりにすることができる。
また、角を丸くすることで人がぶつかった時のケガ防止になったりもする。
目地払いビット
目地払いビット
目地払いビットはコロ付きビットとも言われてる。
画像を見てわかるように根元にコロ(ベアリング)がついてるビット。
コロがなければただのストレートビット。
ストレートビットをフリーハンドで切削するとどこまでも削れてしまう。
だけどコロがあるおかげで、コロに当たるとそれ以上は削れない。
これを利用して「倣い加工」を得意とするビットだよ。
根元にコロがついてるタイプもあれば、先端にコロがついてるタイプもある。
先端と根元、両方にコロがついているものもある。
両方にコロがついているタイプは海外規格の6.35mm軸が多いから、使いたい場合は手持ちのトリマーのコレットチャックを交換することで使えるよ。
国内メーカーのトリマーは6mm軸。
倣い加工については下記記事を読んで欲しい。
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トリマーの進行方向と位置
面取りビットで天板の外周に面を取っていく加工をするとします。
トリマーを使用するにあたり、簡単なルールがあるの知ってますか?
トリマーを使用するにあたっての基本となるルール。
まずトリマーで加工する時は、トリマーの左に加工材があること。
トリマーは手前から奥に送ること。
- トリマーの左に材料があること
- 手前から奥にトリマーを送ること
これがトリマーを使用するにあたっての基本。
どの場所でも、材料はトリマーの左で、手前から奥に向かってトリマーを送ります。
実践では、あえて基本から外れるやり方をすることもあるんだけど、これが基本。
付属のストレートガイドを使う時も同じ。
材料はトリマーの左、手前から奥にトリマーを送って加工。
これだとトリマーの右に材料があるので間違い。
「でもガイドに沿って加工するんだから真っすぐ削れるじゃない?」って思うよね。
それについては次のトリマーの特性を読んでもらえば納得してもらえると思う。
ちなみに、こっちから削る場合は、この向きが基本。
見てわかるように材料はトリマーの左で、手前から奥にトリマーを送る形になっている。
トリマーの切削時の特性
切削の抵抗が少し大きくなるように刃を少し多めに出してフリーハンドで真っすぐに溝を掘ってみる。
気持ちは真っすぐにトリマーを送っているんだけど、どうしても左に左にいってしまう。
見ての通りこれだけ左に曲がってしまう。
トリマーはこういう特性があるから、この向きのストレートガイドだとガイドが離れよう離れようとする力が断続的に伝わるのでやりづらい。
付属のストレートガイドについては下記記事を読んで欲しい。
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基本の送り方向ではないけど、奥から手前にトリマーをフリーハンドで送ってみる。
そうすると、どうしても右に右にいってしまう。
これだけ右に曲がってしまう。
これわざとやってるわけじゃないからね!
もちろん強制的に反対方向にトリマーに力を加えればなんとなく真っすぐいくかもだけど、何も考えず真っすぐに送ろうとするとこうなる。
自作で作った、こういうストレートガイドを使う場合は、フェンス部分は左になるように置いてクランプで固定する。
そうするとトリマは左に左にいこうとするが、フェンスが固定されているのでそれ以上いけなくなるし、その結果ベースプレートが密着するので安定する。
逆に奥から手前にトリマーを送ると、右に右にいこうとするので、フェンスから離れよう離れようとする力が働く。
それを断続的にフェンスに押し付けながら加工するのは意外と大変だし、ズレやすい。
画像で使用しているトリマーについては下記記事を読んで欲しい。
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加工時のトリマーの向き
「加工する時のトリマーの向きってどれが正しいの?」って考えたことありません?
トリマーはどの向きで使ってもビットの回転方向は変わらないので、どの向きでも問題ない。
僕はこの写真の向きで使うことが多い。
トリマーの左にベースの空いた部分がくるようにしてる。
付属のストレートガイドを付けて使う時は必然的にこの向きになるしね。
トリマーの向きよりも、材料はトリマーの左側、手前から奥にトリマーを送る、この基本の方が大事。
1回の切削量は3mm以内
トリマーで溝掘り加工などをする場合は1回で削るのは3mm以下が望ましいとされている。
もちろん、木の樹種によって板の硬さが違うのでこれが正解なんてものはない。
柔らかい木なら1回で3mmぐらいいけることもあれば、硬い木だと1mm、2mmにした方がいい場合もある。
ただ、どんな場合でもトリマーは1回でのMaxは3mmぐらいが限界やと思う。
3mm以上を削る時は複数回にわけて削るようにする。
画像は2mmずつ3回にわけて掘った。
わざと10mmぐらい削れるぐらい刃を出して削ってみた。
この板は柔らかい桐でなんとなく削れてるけど、手に伝わる負荷は結構すごい。
慣れてない人が持っていたら結構怖いレベルやと思う。
しばらく削っていると煙も出てきた!
トリマーはスムースに削ることで焼けが少ないんだけど、高負荷だと切削スピードは遅くなる。
そうすると回転する刃がその場にいる時間が長くなればなるほど焦げやすくなる。
トリマーを持ってる手も高負荷になると力を目一杯いれた結果、トリマーが少し暴れるので暴れた分だけ加工面がブレる。
トリマーのモーターにもよくないし、ビットが折れると危険だし、トリマーやビット(刃)の消耗も激しい。
よくないことばかりなので、適切な刃の突出し量で切削することを強くすすめる。
慣れてくると、負荷がかかり過ぎる時は手にそれが伝わるし、煙が出てくるので、危険な切削は感覚でわかるようになる。
細かい突出し量のセッティングが出来るデジタルデプスハイトゲージについては下記記事を読んで欲しい。
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トリマーで加工時のバリ
トリマーで加工する時は木目に沿った方向で切削する分にはバリは出にくいので対策を考える必要はない。
問題は木目に直交して削る時。
この板は集成材なんだけど、一応木目は横向き。
それに対して直交するように溝を掘ったりする時は、出口付近でほぼ間違いなくバリが出る。
試しに木目に直交するように溝を掘ってみる。
そうすると必ずと言っていいほど出口でバリが出る。
なぜバリ(めくれ)が起こるのか?
それはトリマーのビット(刃)の回転が関係してるんだよね。
ビットの回転は右回りなので、出口の左をめくるような感じで材料を貫通する。
なので出口の右部分はあまりバリとかは出ない。(絶対じゃないけど)
上の画像を見ると材料がめくれる理由が良くわかる。
出口付近を先に削る
トリマー加工でこのバリを出さないようにするための方法をいくつか説明するね。
手前から奥に向かってトリマーを送るのが基本だけど、出口付近だけ奥から手前に削る。
出口付近だけ先にちょこっと削るとバリが出にくい。
トリマーの送り方向としては基本から外れるやり方なんだけど、トリマーのビットの回転方向を考えると、奥から手前に入れるとバリが出にくい。
バリを出さないためのピンポイントでのトリマーの使い方になる。
出口だけちょこっと削ってから、手前に戻って、手前から奥に向かってトリマーを削る。
これは木目に直交して溝を掘る時によく使う方法だよ。
当て木をする
出口付近に貼り付けるための端材を用意。
その端材に両面テープを貼ります。
この両面テープは「剥がせる両面テープ」を使うとポロっと取れてしまうので、「普通の両面テープ」を使った方がいい。
トリマーのビットの出口に両面テープを貼った端材をくっつける。
基本にしたがって手前から奥に向かってトリマーで切削。
出口でバリが出るので、当て木をすることで出口は端材になった。
端材にバリが出たとしても当て木は加工が終われば取るので問題ない。
加工材の出口(画像矢印)部分にバリは出ていない。
当て木をすることで出口を簡易的に変えてしまうので物理的にバリが出ない。
この端材を両面テープでくっつけてるけど、ハタガネとかで固定してもいい。
トリマーのビットが当たった時に簡単に取れないのであれば、どんなやり方でも大丈夫だと思う。
テープを貼る
当て木ほうが確実だけど、簡単な対策としはテープを貼る方法もあるよ。
画像のようにテープを貼ることでテープが木の繊維がめくれるのを防いでくれる。
トリマーの刃の出口を広めにテープを貼っておくと、テープの踏ん張りが効くと思う。
ビットの溝幅ピッタリのテープを貼ってもあまり意味はないので注意。
左右の余分な部分のテープでめくれを防止する感じ。
木の繊維を先に切っておく
このトリマーでのバリは木目に直交している時におこる。
そのバリは木目がビットに弾かれてめくれるので木目にそって割れる。
だったら、先に木目の繊維をカッターなどで切ってしまえば、バリが出ようとした時でも切った繊維を切った場所で止まる。
まとめ
木工をする時にトリマーを使うって人も多いと思うけど、何も考えなくてもなんとなく使えてしまう電動工具でもあるんだよね。
今回の内容をおさらいすると、
- トリマー初心者持ってると便利なビット
- トリマーの送り方向と位置
- トリマーの切削時の特性
- 加工時のトリマーの向き
- トリマーの1度の切削量
- トリマーで加工時のバリ
トリマーを使ってる人でも以外と知らない内容もあったのではないでしょうか?
木工DIYをするならトリマーは必須の電動工具だと思うし、使い方次第で色々な使い方が出来る。
つまりDIYの幅がすごく広がるってこと。
引き戸のレールみたいな溝を掘ることも出来るし、本棚の背板のベニヤをはめ込む溝を掘ることもできるし、引き出しの底板をはめ込む溝を掘ることもできる。
見た目の装飾的な加工もできるし、扉を取り付ける丁番の掘り込みにも使えるし、ホゾ穴あけたり、ホゾ加工をしたりすることもできる。
上げればきりがないほど、とても多目的に利用できる電動工具。
DIYでトリマーが普及してきたのもうなずけるよね。
基本的な知識と使い方を知って、安全で楽しいDIYライフを!
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