差し金の使い方

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やり方

サシガネ(曲尺・矩尺)の使い方を知ってDIYに活かそう!

差し金(さしがね)って道具を大工さんが使っているのを見たことあるかな?

L字型の薄い金属で出来たやつ。

DIYでも使えそうな使い方をまとめてみようと思う。

その前に、呼び方をおさらいしておこう。

「さしがね」の言い方は

  • 差し金・差金・指金・指矩 (さしがね)
  • 曲尺(かねじゃく・きょくしゃく)、矩尺(かねじゃく)
  • 曲り金(まがりがね)

色んな言い方があるから何て言っていいのかわからなくなりそう。。。

おそらく年代によって呼び方が変わる気がする。

ちなみに自分は「さしがね」って言ってる。

差し金と使い方が似ている「差し金完全スコヤの違い」については下記記事を読んで欲しい。

こちらもCHECK

差し金とスコヤの違い
【完全スコヤ】と【差し金(さしがね)】の違い。どちらも直角を測れるが?

直角の墨付けってことなら「差し金」でも出来るし、「完全スコヤ」でも出来る。 墨付けだけじゃなく、垂直、直角の確認なども両方とも同じ使い方をする。 「なら、違いってなんだろ?」って思う人もいるよね。 ち ...

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直角の墨付け

差し金の長手と妻手

L字の長い方を「長手(ながて)」と言って、短い方を「妻手(つまで)」って言うよ。

ちなみに角の部分を「矩手(かねて)」って言う。

差し金の持ち方

部材に90°(直角)に墨付けする時は、差し金の真ん中あたりをおさえるようにしよう。

材に対してなるべく差し金全体を当てるような感覚が望ましい。

そうすることで、材に対しての直角が取れやすい。

差し金のダメな持ち方
差し金のダメな持ち方をしたことによって出来た隙間

線を引きたい場所に意識がいきすぎていると上の写真のよう手前の方を持ってしまうから注意。

差し金は薄く引っ掛かりが少ないので、手前だけで押さえると後のほうに隙間ができていて直角ではない線を引いてしまう。

部材の端から距離を測る時

差し金で部材の端から測る方法
差し金で部材の端から測る方法

部材の端から10cmの所で墨線を引きたいとした時。

部材の端から測る時は、いらない端材を部材に当てて、その端材に差し金を当てることで正確な距離が出るよ。

差し金が端ピッタリになっているかは見る角度によって違って見えるから、様々な角度からピッタリかどうかを確認するより、このやり方の方が物理的に優れた方法。

何も考えずに端材に当てるだけで、見た目の判断より正確。

差し金で墨線を引く方法

妻手で距離を取りたい寸法(ここでは10cm)に部材の端を合わせて印をつける。

ここでは印をつけるだけにする。このまま線を引いても直角の線は引けない。

印しをつけた後は差し金の向きをかえて長手を材に引っ掛けて印しに合わせて直角の墨線を引く。

このやり方も中々使い勝手がいい方法だと思うよ。

45°の墨付け

差し金で45°の墨付け

写真は、長手20cm、妻手20cm、を材の下端に合わせれば45°の墨付けが出来てしまう。

理屈は簡単で、90°の差し金で同じ距離で合わせてるから二等辺三角形が出来る。

三角形の内角の和は180°になるって決まりがある。

ってことは差し金のL字は90°だから残りの二つの角度の和は90°で、同じ距離に合わせているから角度は同じってことで90÷2=45°となる。

数学が得意な人は当たり前のことだと思うけど、木工DIYでは数学じゃなくパターンで覚えるといいと思うよ。

理由は知らなくてもいい、「こう使えばこうなる」で大丈夫。

30°と60°の墨付けも出来る

図形で差し金の使い方の説明

この三角形は正三角形。

上の画像の赤い部分を「差し金」と仮定して欲しい。

図形で角度を説明する

三角形の内角の和は180°になるって決まりがある。

正三角形なので一つの角は60°となる。

ある一辺の中心から角の先端に線を引くと30°が出来る。

30°と60°と90°になる時、図の2辺は長さ2:1となる。

30cmの墨付け

差し金で墨を出して、そこから30cmのところに墨を出す。

差し金で30°と60°に墨を出す方法

これで30°と60°の墨線が引ける。

差し金で30°と60°を出す方法

上の写真を見るとわかりやすいと思う。

30cm:15cm=2:1

となる。

差し金で30°と60°で墨線を引く方法

実際に引いた墨線がこちら。

墨線の角度の確認
墨線の角度の確認

プロトラクターで本当に30°と60°になっているか確かめてみる。

ちゃんと30°と60°になっていることが確認できた。

今回は30cmに対して15cmにしたが、50cmに対して25cmでも大丈夫。

この2:1ってのは長い線に対して半分ってことだよ。

難しく考えないで、2:1ってのだけ覚えておけば大丈夫。

等間隔の墨を引くには

差し金で等間隔に墨線を引く方法

部材の端から端に、差し金を斜めに置いて、3等分や4等分などにする時割り切りやすい数字に合わせると等間隔の墨線が引ける。

上の写真では、斜めに20cmになるように置いて、5cm間隔で印しをつけた。

差し金で墨線を引いている

印しをした所を差し金で墨線を引く。

等間隔の墨線

等間隔の印しをつけた所を差し金で墨線を引いたところ。

わかりやすいように赤鉛筆で引いたよ。

等間隔の墨線の確認
等間隔の墨線の確認

等間隔の墨線が本当に等間隔か測ってみたが、等分の間隔は各39mmなので等間隔になっているってことがわかった。

曲線を引く方法

差し金をしならせているところ

差し金をしならせて曲線を引くことができる。

ただ、両手で持つと墨付けは出来ないので、この場合は一人が持ってもう一人が墨をつけるとかしなければならない。

差し金を引っ掛ける溝
差し金を引っかえる溝をクランプで固定

一人でやる場合は、いらない端材に差し金を引っ掛ける溝をを作り動かないようにクランプで固定する。

差し金で曲線を引く

こうやれば一人でも曲線の墨付けが出来る。

難しくないので、ぜひやってみて欲しい。

円の中心を出すやり方

木材に正円の墨付け

木材に正円の墨付けをしたのだけど、この円の中心を差し金だけで出すにはどうするべきだろうか?

差し金で円の中心を見つける

差し金の角を円の隅に合わせて、左右を同じ距離の所に合わせて墨付けをする。

差し金で円の中心を出す

印しをつけたところに線を引く。

差し金で円の中心を出す

最初に線を引いた時と同じように、線の隅に差し金の角を合わせて、上下が同じ距離になるように合わせて印しをする。

この2回目の線を引く時は、差し金の角は円のどこの隅に合わせても構わない。

2つの線が交わるところが中心となる。

差し金で円の中心を出す

印しをした所に線を引く。

差し金で円の中心を出す

二つの線が交わった交点が、この円の中心ってことだよ。

差し金だけで円の中心を出すことが出来るってことがわかった。

円の中心をコンパスを使って確認

円の中心が本当に中心かコンパスを使って確認したが、すべて同じ距離であることがわかったので間違いなく中心が出せることがわかったと思う。

角目と丸目

角目と丸目

差し金の種類によっては、表も裏もミリメートルの目盛りがふってあるが、表はミリメートルの目盛りで裏には「角目・丸目」の目盛りになっているものがある。

角目の使い方

差し金の角目

角目で出来る基本的な使い方を説明するよ。

差し金の角目の使い方

写真は丸い缶の底なんだけど、これを丸太と仮定して欲しい。

角目の目盛りを使って一番長い部分に合わせる。

差し金の角目の使い方

角目の目盛りで測ったら11.8cmあった。

つまりこの缶(丸太)から11.8cm角の角材が作れるってことになる。

これが角目の基本的の使い方。

知らないと難しく感じる使い方だけど、知ってしまえばとても簡単なやり方なんだよね。

11.8cm角になっているかの確認

確認のため、11.8cmの正方形で薄い板を切って乗せてみた。

少しはみ出ているように見えるが、実際にはほぼピッタリだったよ。

角目の目盛りを使うだけで、何センチ角の材が取れるのか簡単にわかる。

丸目の使い方

差し金の丸目

丸目の基本的な使い方の説明をするよ。

差し金の丸目の使い方

差し金の丸目の目盛りを円の一番大きい所に合わせる。

差し金の丸目の使い方

丸目の目盛りが52.5cmだった。

つまり、この丸い缶の円周は52.5cmってことだ。

丸い缶の円周の確認

実際にこの缶の円周が52.5cmであるか確かめてみる。

コンベックス(メジャー)で一番距離のある所に合わせたら16.7cmだった。

円周=直径×3.14

なので、

16.7×3.14=52.438

ほぼ、52.5cmであることがわかった。

小数点以下の精度は難しいが、簡易的に求めるには十分だと思う。

差し金の使い方まとめ

DIYで使うには「完全スコヤ」の方が出番は多いと思うし、自分も使用頻度は完全スコヤの方が多い。

だけど、「差し金」でしか出来ないことが沢山あることもわかって頂けたと思う。

「差し金一つあれば家が建つ」なんて言葉もあるぐらい。

色々な使い方があるって言うのは、ある意味プロ向けとも言える。

差し金は、直角を見たり、距離を測ったり、使い方ではしならせて使ったり、45°、30°、60°の墨付けも出来るし、等間隔の墨を引ける。

ここまででも「え?差し金ってこんなに色んなことが出来るの?」なんて思われる人もいるかもですが、ここまでは基本的な使い方で、極めようとするならもっと奥が深い道具でもあるよ。

今回、差し金の使い方をまとめてみて、改めて「差し金」ってスゲェって思った。

お勧めの「差し金」

差し金には、竿の断面の形状とか、角が厚いもの、竿と角が同じ厚みの「同厚」、サイズ、目盛りのパターンとか色々あって結局何を選んでいいかわからない人も多いと思う。

差し金について学習して自分で選びたいって人は下記記事を読んで欲しい。

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【初心者向け】差し金を選ぶ時の見るべきおすすめポイントを解説。

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差し金をフル活用したい人向け

・表目盛:(長枝)外目盛50cm、(短枝)外目盛25cm

・裏目盛:(長枝)外目盛 角目 内目盛 丸目/ホゾ、(短枝)外目盛25cm

竿の幅が15mmで製品の重さが91gと軽く操作性がいい。

表の目盛りはメートル目盛、裏の目盛りは角目・丸目になっている。

丸い形状の円周や丸太が何cm角で取れるかなどを知りたい場合は役に立つ。

ホゾ穴も測れる。

角目で多角形などの寸法を出すことも可能。

角厚なのでL字の角の所が厚く出来ているので少しだけ引っ掛かりがいいと思う。

4段目盛りなので表の内側に目盛りがなく見た目がごちゃごちゃしてないからスッキリとした感じ。

作る対象が大きい時など、今回の差し金の使い方のように、差し金をフルに利用したいって人向けかな。

裏が角目・丸目の目盛りだから、普通の寸法は測れないので注意。

気軽にDIY向け

  • 角部形状 同厚
  • 表目盛 長枝:外目盛 50cm 内目盛 45cm 短枝:外目盛 25cm 内目盛 20cm
  • 裏目盛 長枝:外目盛 50cm 内目盛 45cm 短枝:外目盛 25cm 内目盛 20cm
  • 本体サイズ 520(260)×20×2.0mm
  • 製品重量 240g
  • 直角度 100mmにつき0.1mm以下
  • 長さの許容差 ±0.2mm
  • 材質 ステンレス

角部形状が同厚、厚手広巾50cmの目盛り、表裏同目、8段目盛。

8段目盛りなので、外側だけじゃなく内側にも目盛りがあるので、直角の墨付けだけじゃなく計測も色々できる。

表も裏もcm表記なので表でも裏でも、難しいことを考えなくて使えると思う。

厚手広巾なので、しならせて使うのはやめた方がいい、曲げたら戻らなくなるかもよ。

厚手広巾なので厚みもあり幅もあるから直角の精度の狂いも少なく、幅が広いことで安定感も増す。

その変わり「差し金をフル活用したい人向け」で紹介した差し金と重さを比べると倍以上の重量だ。

重いので操作性は悪くなるが、その分墨付けの安定感はます。

直角の精度の狂いにくさや墨付けの安定感、表裏も同じcm表記で、どっちでも測れるのでDIYに向いているんじゃないかと思う。

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