今回は、近所のお寺のご住職様から頼まれたのですが、自分的には珍しいものだったので記事にすることに。
作業中を記事にすることは許可を得ました。
さて、「空也上人(くうやしょうにん)」とは、どんな人物なのか?ですが、CMとかで出てくるので知ってる人は知ってるかもですね。
軽く開けた口から6体の仏像が飛び出ているあれです。
この杖っぽいものを再現するのが今回のミッション!
空也上人立像が気になる人は検索してみてね。
基本的には鹿の角に、ほぼほぼ穴をあける記事です(笑)
それではさっそくいきましょう。
動画で見ると臨場感があるよ。チャンネル登録よろしくお願いします。
目次
鹿の角と杖
鹿の角と杖をこんな感じにくっつけるんだけど、このままじゃくっつかないから角に穴をあける。
ちなみに鹿の角は加工してアクセサリーにして販売されてたりもするみたい。
問題は、鹿の角を加工したことがないので、どれだけの硬さなのかわからいことが不安だった。
アクセサリーに加工してるくらいだから、出来ないことはないんだろうなとは思っていたけどね。
鹿の角の固定方法
穴をあけるために鹿の角を固定したいんだけど、見ての通り形状が複雑なので固定方法が難しい。
ボール盤で固定(断念)
固定さえちゃんとできればボール盤が安定した穴あけが出来るんだけど、固定方法がわからないのと、固定する方法を作る時間もなかったので、ボール盤はそうそうに諦めた。
ハタガネで固定(断念)
鹿の角を作業台にハタガネで挟んで固定を試してみる。
インパクトドライバーにフォスナービットを取り付けてチャレンジ!
はじめて間もなくだけど、その硬さにビックリした。
予想の3倍は硬かった。
もともとホームセンターのフォスナービットで特別切れるやつじゃないけど。
どうなんだろ?角みたいな素材をさくさく穴をあけられる刃ってあるんだろうか?
今回使用するフォスナービットでやる場合、あんまり良いやつでやりたくもないし、刃で削ると言うよりは衝撃で削っていってる感じもするので、これ1回ぽっきりでダメになるの覚悟で安いやつでいいのかもしれない。
しかし、この固定方法だと、強い力で押し込みながら削るので固定が弱くて動くのでこの固定方法も諦めた。
バイスで固定
鹿の角にウエスをグルグル巻いてバイスで固定。
若干手で押さえるけど、一番安定して作業出来る気がした。
鹿の角を削っていると、歯医者さんで歯を削ってもらってる時の匂いがする。
その時を思い出すので、あまりいい匂いとは言えないかも。
鹿だけに歯科。。。つまらん(笑)
フル回転で延々と使用したので当然バッテリーが切れる。
もう一つバッテリーがあるので交換。
その間にこのバッテリーを充電。
こういう時、バッテリー2個持ちが役に立つよね。
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かれこれ格闘すること1時間ぐらい。
結構な深さで穴があいた。
使用したフォスナービットは、おそらく刃が切れなくなってるだろうけど。
やっぱりこういう時、18Vのインパクトはパワーがあっていいなって思う。
木工DIYなら10.8Vのインパクトの方が軽くて使いやすけど。
18Vも一つは持っておくと役に立つこともあるってことだね。
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軸付砥石で削る
ある程度、穴が掘れてきたけど、このまま使用しているフォスナービットの径だと、これ以上は外に貫通してしまう。
杖の頭の形状も丸くなっているので、その形状にそって、インパクトドライバーに付ける軸付砥石(赤)で調整しながら削っていくよ。
もちろん、この砥石で削れるのかは、やってみないとわからなかったんだけどね。
砥石でチャレンジ開始。
15分後ぐらい
最初はおっかなビックリだったけど、慣れてくると結構削れることを実感!
鹿の角は根元の部分は太いけど、だんだん細くなっていく形状なので、杖の頭の径で掘り進めすぎると外に穴があく。
それだけは避けたいので、慎重に砥石で中心の方を深く削りながら、Rになるよう意識しながら削っていく。
出来るだけ深さを稼いだ方が、杖との接合もしっかりとしたものになるはず。
30分後ぐらい
時間はかかるが、ちゃんと削り取れている実感があるのでモチベーションは落ちない。
時々、削った粉を集塵して中の形状を確認しながら作業をしていった。
そろそろサイドは薄くなってきていると思うので慎重に削っていく。
1時間後ぐらい
かなりいい感じに削ることが出来た。
初めてにしては、超絶うまい気がする。
微調整を繰り返しながら杖がユル過ぎない程度で入るようになった。
けっこう感動的(嬉)。
仮組み
しっかりと入るか仮組みというか入れてみる。
鹿の角の径と杖の径を考えると限界近くまで削り取ることが出来たと思う。
ここまでくると接着後が楽しみでしかない。
接着
木材同士なら木工ボンドでいいんだけど、鹿の角と木材では強い接着が出来ないんじゃないか?と思いネットで色々検索。
その中で2液性のエキポシ接着剤なら強い接着が出来るみたいなことが言っていた人がいたので、こいつを採用。
説明書に従い2液をよく混ぜ混ぜする。
穴をあけた中にタップリと塗った。
多少の隙間があったとしてもエキポシで埋まって固まるイメージ。
入れる杖の頭にも塗ったよ。
両方塗ることで隙間ができないような気がしたので。
木工用ボンドだと固まると少しボンドが痩せるけど、エキポシはそのまま固まるって誰か言ってたような?
それを信じよう。
この接着剤は、固まり始まるまでの時間が違うタイプで3種類あったんだけど、30分で固まり始めるタイプのものを使用した。
あまりに早すぎると、もたもたしてるうちに固まりそうで怖ったんだよね。
でも5分で固まり始めるやつでもよかった気がする。
接着剤を塗った後にグッと入る所まで入れる。
この段階では、かなりいい感じ。
圧着
木工用ボンドと比べて圧着の必要性はあるのか?とも思ったけど、やはり出来るだけ圧着はしておいた方がいい気がしたのでベルトクランプを使用。
こんな感じで1日放置。
圧着の効果があるのかはわからないけど、早く固まった所が見たいと焦る気持ちをおさえて放置。
翌日
待ちに待った翌日、ちゃんと接着が出来たか確認してみる。
結果は、大成功!
ガチガチに固まってる!
これなら取れる気がしない。
もはや一体化したと言っても過言ではないかも。
おお!雰囲気あるじゃないか!
ご住職もきっと喜んでくれるんじゃないかな。
完成した杖を持ってみる
完成!
ご住職が持ったらさぞや素敵だと妄想してしまう。
ちなみに、今回の作業をするにあたり、ネットで空也上人について調べたんだけど、「空也上人」の立像で持っている杖も鹿の角が付いているんだってさ。
ほぼ、そのものを再現できたような気がする。
最初は不安しかなかったけど、作業も初めてのことで勉強になったし、後半は出来上がりを期待してワクワクしかなかった。
同じものを作ろうとする人は少ないかもだけど、参考に出来る部分は、ぜひ参考にして欲しい。
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