木工DIYではビスを使って木材同士を接合させることってよくあるよね。
見栄えの良い仕上げにするにはビスは見えない方が仕上がりがいいとされてると思う。
ビスが見えないってことは分解も簡単ではないってこと。
後々、分解してサイズを小さくしたり、違うものに形を変えたい時などを想定して、あえてビスが見えたまんまにすることもある。
治具を自分で作ったりする人もビスは見えていいけど、出っ張るのが嫌って場合は皿取りするのが一般的。
皿取りするのも道具を使うんだけど、いざ皿取りするってなると意外とちょうどいい皿取錐(さらとりきり)がなかったりするんだよね。
そんな痒い部分を解消するべく僕なりの皿取り方法を紹介したいと思います。
文章ではわかりにくい部分は動画を見るとわかりやすいよ。チャンネル登録よろしくお願いします。
皿取りとは?
まず、皿取りとは?について
木工における皿取り(さらとり)とは、ねじやボルトなどの頭部が木材の表面と面一になるように、木材にテーパー状の穴を開けることを言う。
これにより、ねじの頭部が木材の表面から出っ張らず、見た目がきれいになると同時に、ねじが引っかかって怪我をするリスクを減らすことができるよね。
具体的な手順は以下の通り
- 下穴のドリル:最初に、ねじのシャンク(ねじ山がない部分)の直径に合わせた下穴をドリルで開ける。
- 皿取錐の使用:次に、皿取錐(カウンターシンクビット)を使って下穴の入り口を広げ、ねじの頭が収まるためのテーパー状のくぼみを作る。
- ねじの締め付け:最後に、作成したくぼみにねじを挿入して締め付けます。ねじの頭部は木材の表面と面一になるか、少し沈む形になる。
主にこんな感じの手順。
皿取りせずにビスを打つと?
皿を取らずにビスを打つとこんな感じになる。
使ったビスはスリムビスってやつ、そのまま打っても割れにくいビス。
だけど頭の部分が木材に入っていく過程でビス周りにバリが出たり、めくれたり、沈んだりってことが起こる。
ビスの頭の体積分の影響が少なからず出ちゃうんだよね。
つまりビス頭の収まりが悪いってこと。
これを解消するために「皿取り」をする訳さ。
面取りドリルビットを使用した皿取り
面取りドリルビットってのは、こういうやつ。
面取りドリルビットで皿を取る場合は、木工用下穴錐か鉄工用ドリルで最初に下穴をあける。
細い鉄工用ドリル(大体3mmぐらい)は木工で下穴をあけるのに良く使ってる。(僕はね)
まぁ、どっちでもいいんだけど、まず下穴をあけるってこと。
下穴をあけた穴に面取りドリルビットを突っ込んで回転させて皿を取る。
静止状態で材料に接触させてから回転させるので、初動が少し暴れる時があるように思う。
初動が暴れて穴のセンターから皿が取れなったり、ちょっと歪んだ皿になったりした経験があるんよね。
丸ノコで木材を切る時もそうだけど、静止状態で刃を材料にあててスイッチ入れると刃が暴れるよね?
基本的には刃がついているものは、十分回転させてから材料に接触させるのが普通なので、このやり方では経験上綺麗な皿は取れない気がする。
一見綺麗に皿が取れているように思うけど、よく見ると中心がズレているような感じ。
特に柔らかい材だと、初動の回転でビットが暴れて、ある程度皿が取れてしまうとビットがその位置で安定しまうことが原因だと思う。
樹種によっては、バリなども出やすい。
でも、皿は取れるっちゃ取れるので、それぐらいは気にならないって人は、この方法でも問題ないし、下穴をあけてから面取りドリルって感じで難しく考えなくて使える。
皿の仕上がりは、この後の方法と比べるとやや劣るって感じ。
スターエムの皿取錐を使用した皿取り
みんな大好き「スターエムの皿取錐」、内錐3mm×外錐8mm
木工DIYでは人気の皿取錐っす!
何がいいのかって言うと下穴と皿取りが同時に出来る。(素晴らしい)
昔の自分であれば下穴をあけるのと皿を取るのは別々に考えてたし実際そうしてたんだよね。
異なるサイズのバージョンは、
- 3mm×8mm
- 3mm×9mm
- 3.5mm×10mm
- 4mm×10.5mm
- 4mm×12mm
(内錐×外錐)
ってのがある。
実際に下穴をあけながら皿取りをしてみる。
ランバーコア材で皿取りをしてみた。
スリムビス(細ビス)には丁度いい皿かもだけど、普通のビスだと、スターエム皿取錐:内錐3mm×外錐9mmの方が合ってるかもしれない。
皿取りに関しても、錐で穴があいていって、錐が刺さった状態で皿を取るので中心から皿が取れやすい。
錐を中心に回転しながら皿が取れるので皿も綺麗に取れるように思う。
下穴の穴を中心に綺麗に皿が取れてる。
とても優れた皿取錐なんだけど、唯一の弱点が錐の部分が20mmと少し短い。
錐は別購入で、もう少し長い錐とかもあるので、それに付け替えれば多少は長くなるっぽい。
これ21mm厚のランバーコア材なんだけど、錐の長さが20mmぐらいしかないので、手前までしか届かない。
出来れば下穴は接合したい相手の材料まで届かしたい。
じゃないとビスで止める時にズレたりするから。
下穴が相手の材料まであいてるとその穴にビスが誘導されやすいので材がズレないんよね。
付属の六角レンチでネジを緩めると多少(2mm~3mm)だけど伸び縮みする。
けど下穴の長さとしては微妙。
錐の取り外しが出来るので、錐の交換用と捉えた方がいいかもしれない。
こんな感じで錐がスポって抜ける。
錐を交換する時はこうやる。
錐部分が短いので相手の材料まで錐が届かない時は、皿取錐で皿を取ったら、追加で下穴錐で十分な下穴をあけるように使ってる。
皿取りとは関係ないけど、スターエムの皿取錐が優れている点は、皿よりも深く掘り込めばダボ穴が出来る。
下穴があけられて、皿も取れて、ダボ穴もあけられる。
1つで3つの役割を果たしてくれる。(マジで凄い!)
スターエムの皿取錐は単品でも売ってるけど、この埋木錐とセット販売されているものもある。
埋木錐を使えば、こういった木栓が簡単に出来るんよ。
木栓を切る時はアサリなしのノコギリが材料を傷つけにくいのでおすすめ。
ダボと違って、同じ材を使って木栓を使えばより目立たなくなるしオイルを塗った時など自然な感じになる。
ビス頭を隠したい時はは、このスターエムの皿取錐を使うように自分はしている。
硬木に対して主に使うのであればハイス鋼の方がいいかもしれん。
スターエムの超硬 調整自在皿取錐
スターエム 501 超硬皿取錐。
下穴と皿を取るってだけならこれが自分的には1番おすすめ。
画像だけ見ると、「あれ?錐がついてないじゃん?」って思うけど、この皿取錐は3mm~7.2mmの木工用下穴錐や鉄工ドリルであらば錐を選ばず取り付けすることが出来る。
マホガニーの木を使って皿取りをしてみる。
マホガニーは比較的硬いとされている樹種。
問題なく綺麗に皿が取れました。
ただ、力加減一つで皿を大きさが変わってしまうので少しずつ様子を見ながらの方がいいかもしれない。
長い錐に取付ければ、こんな感じで下穴と皿取りを同時に出来る。
取り付けタイプなので、長い下穴をあけたい時は、長い下穴錐に取付けるだけ。
なので下穴の長さが足りないってことは基本なくなる。
同じ下穴錐でも付ける場所を変えるだけで下穴の深さを変えられる。
取り付けは2ヶ所のネジを緩めたり締めたりして、取り付けたり外したりできる。
3mm以下になると固定できないから注意。
それでは実際にこの皿取錐を使って皿を取ってビスを打ってみる。
下穴をあけつつ皿を取っていく。
下穴と皿を取った所にビスを打つ。
こんな感じでビスの頭が綺麗に収まる。
バリやメクレや沈みがなくとても綺麗。
ビスを隠さない仕上げでも、皿を取るのと取らないのでは大きな違いが生まれる。
スコヤを当ててビスの頭が出っ張ってないか確認したけど問題なかった。
この画像に映ってる下穴錐やドリルすべて取り付け可能。
ちなみにこれはホームセンターで4500円ぐらいで買ったもの。(ネットや店舗により価格は様々だけど)
「え?そんなすんの?」って思いませんでしたか?
皿取錐は一体型になってるものや、その錐専用ってのが多いように思う。
でも、これは錐を選ばないので汎用性がとても高い。
木工好きなら知ってる人も多いかもだけど、ハイス鋼ってのは刃が硬くて良いとされているんだけど、この超硬ってのはハイス鋼よりも硬い刃っぽい。
そう考えると、それほど高いものでもないように思える。
まとめ
これは丸のこガイド定規を自作したものなんだけど、裏からビスで止めてるんだよね。
こういう治具はビスが見えるってことよりも、ビスが出っ張ってないってのが重要だったりする。
こういう時も皿取錐は重宝する。
たかが皿取り、されど皿取りって感じっすね。
皆さんはどうやって皿取ってます?
ではまた。^^
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