テーブルソーを購入して材料の幅を狭く切りたい時に不都合が生まれませんでしたか?
その不都合を解消させるべくゼロクリアランスなインサートプレートを作ってみました。
このインサートプレートは「スロートプレート」とも言うっぽい。
インサートプレートって言い方の方が日本では馴染みがあるような気がする。
テーブルソーを持ってる人はイメージが沸くかもしれないけど、そうじゃない人はわかりにくと思うので、なぜそれが必要なのか?についても説明したいと思う。
ちなみに作るゼロクリアランスプレートは、海外テーブルソー「Skil SAW SPT99T-01」用となります。
スキルソーについては下記記事を見て欲しい。
こちらもCHECK
-
【おすすめテーブルソー!】SKILSOW(スキルソー)SKIL SPT99T-01を買った感想 。フェンスが秀逸!
今回はお勧めの「テーブルソー」を紹介したいと思うんだけど、そもそもテーブルソーって何?って人もいるよね。 木工をやるからには木材をカットする道具が必須。 ある人は手鋸、ある人は丸鋸、ある人はスライド丸 ...
続きを見る
記事だけじゃわかりずらいところは動画をご覧ください。チャンネル登録よろしくお願いします。
目次
ゼロクリアランスインサートプレートとは何か?
ゼロクリアランスインサートプレートは、テーブルソー(卓上丸ノコ)のスロートプレートの一種。
通常、テーブルソーのスロートプレートには、ブレードの周りに隙間があり、その隙間を通じて材料が落ちることがある。
しかし、ゼロクリアランスインサートプレートはその隙間を最小限に抑えるためのもの。
主な利点は次の通り
- 切断の精度向上: ブレードとインサートプレートの間の隙間が小さいため、材料の切断がより精密になります。特に小さな部材を切る際に役立つ。
- スプラインの防止: 切断中に材料がブレードの隙間に落ち込むことを防ぐ。
- 安全性の向上: 材料が隙間に引っかかるリスクを減少させ、より安全な作業できる。
ゼロクリアランスインサートプレートは、一般的にはカスタムメイドで、特定のテーブルソーやブレードの仕様に合わせて作る。
こんな感じで、ゼロクリアランスインサートプレートは、木工やDIYで作業性と安全性を向上させることが出来るんよね。
大まかになぜゼロクリアランスインサートプレートが必要なのかはわかってもらえたかな?
プレートを自作するけど、最初のプレートがいらないって訳じゃないから注意。(絶対必要)
それじゃ実際に作っていく過程を見ていきましょう。
どんな感じで作るのかを参考にしてもらえれば幸いです。
ゼロクリアランスにする理由
テーブルソーってのは購入した時のインサートプレートは隙間がある。
画像矢印の部分ね。
どんなメーカーのテーブルソーでも絶対に隙間があるんよ。
なぜ隙間(クリアランス)がとってあるのかと言うと、ブレードを傾斜させる際に必要になる。
隙間がまったくないゼロクリアランスだったら刃が傾斜することが出来ないからだ。
なので刃を傾斜させる場合は、このインサートプレートが必要。
ゼロクリアランスのプレートを作ったから「これはもういらない」とはならないから注意。
フェンスをブレードの近くまで寄せて材料を切る時に、このインサートプレートではとてもやりずらい。
そうねぇ、2cm未満で切りたい時なんかは難しくなる。
切ってる途中で材が下に落ちちゃうんだよね。
そらそうよね、隙間があるんやから。
でね、特に危ないのが、材が下に落ちていくとそれを元に戻そうと、思わず手が出ちゃったりする。
それがもっとも危ない。
事故が起きる時ってそういう時なんさ。
ブレードを傾斜させて切る場合は、このプレートが必要だけど、テーブルに対してブレードを直角にして切る場合はゼロクリアランスの方が圧倒的に使いやすい。
それがゼロクリアランスにする理由。
ゼロクリアランスのプレートを製作
プレートの厚みを決める
プレートの厚みを決めるためデジタルノギスで深さを測る。
場所によって多少深さがまちまちなので1番深い場所で作ることにする。
少し出っ張るぐらいなら後で調整できるので。
深さは10.72mmなので、プレートの厚みはこのサイズに決めた。
1部分他と比べると少し盛り上がってる箇所があるので、ここはここで後で欠き取りが必要やね。
深さは3.06mm。
-
参考初心者でも使いやすい!DIYに最適なデジタルノギス
ノギスは1mm以下を計測できる道具で、特に精密な物を作るのには欠かせない。 「木工で1mm以下なんて必要あるん?」って思うかもしれないが、DIYと言えども1mmのズレは致命的になることが多い。 あちこ ...
続きを見る
厚み12mmの規格材のシナ合板を使うことに。
なぜこの素材って聞かれたら、手元にある材料で10.72mmに1番近かったから。
木材でもいいけど、ホワイトウッドとかSPF材とかは狂いが出る確率が高いので避けた方がいいかも。
狂いが少ない樹種とかが望ましい。
合板も反ったりしてる場合があるから、なるべく真っすぐな部分を使うように心がけた。
厚みは自動カンナで削って調整。
元のプレートの型を写す
元のプレートをひっくり返して型を合板に移す。
型が写し終わった。
材料のカットと加工
墨付けした所を目安に余分な箇所をカットしていく。
墨線ピッタリでユルユルになるのは嫌だったから、墨線が残るような感じでカットした。
少しキツい分には後で削れるので。
厚みを10.72mmに自動カンナで削る。
削った後測ったら10.62mmやった。
コンマ1薄いけど、おそらくこれでも大丈夫やろって感じで次の工程へ。
プレートを入れた時に低くなるようならネジで高さ調節できるようにしようと思ってた。
※結果的にはピッタリ収まったので必要なかったよ。
使用した自動カンナは、自動カンナ SpokeShave 13インチ(330mm)自動カンナ & Wixey510自動カンナ用デジタル目盛かんな カンナ デジタル目盛 ヘリカルカッター 26個カッターで切削
こちらもCHECK
-
「自動カンナ(プレーナー)」、マキタと迷ったけど選んだのは「スポークシェーブ」!
自動カンナってのは木材の厚みを削る機械なんだけど、DIY向けの卓上タイプといえど気軽に購入するには価格的にも少々迷う。 ホームセンターで購入する規格ものの板を使用するだけなら、無用の機械なので購入する ...
続きを見る
バンドソーを使ってR部分を大体で切ってる。
-
参考【おすすめ】卓上バンドソーTBS-80を購入した感想と機能の説明
卓上バンドソーとして使い勝手の良いTBS-80。 DIYをする人が使う電動工具としては少しハードルは高いがお値段は手頃だ。 リョービは社名が変わって「京セラインダストリアルツールズ販売株式会社」となり ...
続きを見る
プレートをインサート部分にあてがいながら微調整。
ペーパーを板につけたものでR部分やキツい箇所をゴシゴシ成形。
プレートをひっくり返して一部出っ張ってる位置を墨付け。
出っ張り部分の位置がわかったのでトリマーで掘ります。
トリマーで掘って3.06mm残れば出っ張りに当たらないが、余裕を見て3mm弱残る感じで掘った。
-
参考電動トリマー工具のおすすめ機種!DIY初級者から上級者まで
トリマーと言ってもペットのワンちゃんの散髪とかの仕事をしている人のことではない。 だけど、語源を知ると通ずるものがある。 トリマーは整える、トリミング(trimming)が語源になってるそうだ。 木工 ...
続きを見る
トリマーで残ったR部分を鑿で成形して出っ張り対策完了。
プレートを取り出す際に必要な丸い穴をあけるためセンターに印。
精度には関係なの所なので適当。
Φ25mmで穴あけたよ。
実際に入れてみると「あれ?はいらん」。
なんか当たってる。
ブレードを1番下まで下げてもプレートに少し干渉するようだ。
プレートの刃の位置にトリマーで溝を作って干渉させないようにすることにした。
刃の位置の距離を測ってプレートに墨付け。
プレートに溝を掘ったことで刃と干渉しないはず。
おお!ピッタリ収まったぜ!
テーブルソーのブレードでスリットを作る
この後、プレートにスリットを作るんだけど、この割刃が邪魔。
取り外そうと思ったけど、なんか大が掛かりなことになりそうなので断念。
とりあえず1番下まで下げて、切れる所まで切ることにした。
フェンスをプレートの上になるように寄せて、反対側には合板の端材を手で押さえて、プレートの浮き上がりを防止。
テーブルソーのスイッチをオンして刃が回転。
少しずつブレードを上に出していき、鋸刃の厚みでスリットを切っていく。
直接テーブルソーの刃で切ることによって刃の厚みピッタリのスリットが出来上がるんよ。
これがゼロクリアランスと言われる由縁。(知らんけど)
やはり、ある程度スリットを切ったら割刃が当たって刃が出てこない。
スイッチを入れずにスライド丸ノコの刃をテーブルソーで切ったスリットの中に入れてスライドさせることによって、その直線上で切れるのでは?と考えた。
うまく切れたが、まだ足らなかった。
足らない部分はプレートをひっくり返して、同じようにしてスリットを切る。
こちらもCHECK
-
【京セラ スライド丸鋸TSS192 】は必要なことは一通り出来る!
少し木工をかじると1番最初に欲しくなる電動工具の一つ。 手鋸以外で木材を自分でカットすることが出来る。 木材カットはホームセンター頼みから一歩脱却。 使用頻度はかなり高いのでDIYでも持っていて損はな ...
続きを見る
ゼロクリアランスなプレートが出来た~♪
ほぼほぼピッタリだったけど、微妙にテーブルと段になったいる所はペーパーでゴシゴシしてテーブルとフラットになるように調整した。
スコヤを当てて最終確認したけど、めちゃいい感じ。
試しに幅を狭くして材料をカットしてみる
ゼロクリアランスにしたことで、フェンスと刃の間に隙間がなくなり、こんなに幅の狭いカットでも安定して出来る。(素晴らしい)
材料が下に潜ることもないので手を出す必要もなくなり安全だ。
こんな感じで細い切り出しを安定して連続して出来るんよ。
最近ではゼロクリアランスの製作動画とかたくさん出てるけど、なぜ皆がこれを作るのかわかるよね。
まとめ
仕上げに作ったゼロクリアランスインサートプレートは手元に「蜜ロウワックス」があったので、タップリと塗り込んでおいた。
汚れ防止や滑りが良くなるんじゃないかと思う。
手元にワトコオイルとかブライワックスとかあれば、そういうのを塗ってもいいと思う。
その辺りはお好みで。
元のプレートと比べてみると刃の隙間部分が一目瞭然やね。
作ったインサートプレートは、このブレード専用だよ。
これより厚みのあるブレードと交換した場合は、その刃の厚みで切っちゃうから注意ね。
ブレードを傾斜させて使う時は、もちろん元のプレートを使うよ。
必要な時にすぐに取り替えられるように脇に引っ掛けておけるようにした。
いざ必要な時に「あれ?元のプレートどこだっけ?」ってならないようにね。
材料費もそれほどかからないし、作るのもそれほど手間ではないのでテーブルソーを持ってる人は、ぜひ作ってみてください。
Youtube活動もしてますので、チャンネル登録ポチっとよろしくお願いします。