木材をビスで打つ時って下穴をあけるってのは良く耳にする。
でも実際問題ホームセンターで木材を購入して木工DIYをしている人は「え?下穴なんてあけてないよ」なんて人も少なからずいる。
板の際に打たなければ割れることも少ないので、「下穴をあけろ!なんて言うのは教科書通りの頭の固い人が言ってるだけなんじゃね?」なんて思ってない?
まぁ、そんなことを言ってる人ほどビスをバシバシ打ってると何か所か割れたりしてる。
針葉樹の柔らかい木材であれば、下穴はあけないよりはあけた方がいいって感じだけど、本当に下穴がシビアになるのは広葉樹のような硬い木材。
そんな下穴あけを失敗しないために、基本と経験則を交えて解説します。
文章でわかりずらい所は動画を見てね!(チャンネル登録もよろしくお願いします)
目次
下穴を開けないと割れる可能性がある
ホームセンターで売ってる「赤松材」に下穴をあけずにコーススレッドビスを打ってみます。
こういう感じで木材が割れてしまう。
赤松材は柔らかい部類の木材だけど、やはり際に打つと割れる。
下穴をあけない場合、スリムビス(細ビス)なら割れにくい。
材が柔らかい木材の場合は写真のように際に打っても結構割れない。
けど、何か所も打っていくと忘れたころに割れたりする。
ホームセンターで売ってる木材でも、やはり下穴をあけるクセはつけておいた方がいいと思う。
スリムビスは割れにくいので使い勝手はいいんだけど、コーススレッドに比べると強度は落ちる。(DIYでは気にするレベルじゃないと思うけど)
コーススレッドはスリムビスに比べるとビスの頭が大きいよね。
ビスはこの頭で木材を引っ張るって役目もあるから、頭が小さいよりは大きいほうが材をしっかりと押えられる。
コース=粗い、スレッド=ネジ山。つまり粗いネジ山のビスってこと。
スリムビスはそのままの意味でスリム=細い。ってこと。
下穴をあける道具
木工用下穴錐
木工で使う下穴錐と言ったらこういうテーパー形状の下穴錐。
先っちょが細くて、根元が太い形状になってる。
コースレッドで必要になる3mmと4mmの下穴錐がセットになってるやつとか持ってるといいかも。
ちなみにこれは、ハイス鋼でチタンコーティングもされてるのに安い。
切れ味については今一つよくわからいが、ちゃんと穴はあく。
メーカーが心配ならスターエムとかの下穴錐とかでいいと思う。
基本的に下穴錐は2.5mm、3mm、4mm、ぐらいがあれば対応できるように思う。
鉄工用ドリル
主に広葉樹に対してだけど僕は鉄工用ドリルも木材の下穴あけに使ったりする。
2mm、3mm、4mmとかを下穴に利用する。
細い鉄工用ドリルは基本的には短いけど、探せば長いやつもあるみたい。(今のところ必要に迫られてないので持ってない)
広葉樹に対してなぜ鉄工用ドリルがいいのかは、記事を読み進めていくとわかります。
適切な下穴サイズの基本ルール
ソフトウッド(針葉樹)の下穴
木工におけるビス(ねじ)の最適な下穴サイズは、使用するビスの直径と木材の種類によって異なる。
なのでビス径と樹種によって適切な下穴サイズを選ぶ必要があるよ。
基本は、
- ソフトウッド(針葉樹)の場合:
- ビスの直径の約70-80%のサイズの下穴。
- 直径3mmのビスを使用する場合、下穴の直径は約2.1mm~2.4mm。
- 直径4mmのビスを使用する場合、下穴の直径は約2.8mm~3.2mm。
まずは、下穴の深さってどれぐらいが適切なのかと言うと70%~80%ぐらいって言われてる。
例えば、このビスはコーススレッドなんだけど長さは60mm。
このビスの長さ60mmに対して70%の下穴をあけるとしたら42mm。
70%なら0.7を掛ける。
80%なら0.8を掛ければ求められる。
写真の線ぐらいまでの下穴をあけるってことになる。
だけど僕は針葉樹の下穴を開ける時は50%ぐらいの下穴をあけることが多い気がする。
そこまでナーバスに考えなくても大丈夫やで。
接合させる相手の板まで少し下穴が開けられればOKって感じでやってる。
下穴錐で穴を開ける時は深さがわからないのでテープを貼っておくと目安になる。
ドリルストッパーって便利な物もあるでよ。
こんな感じでドリルストッパーが当たるところで押すのをやめれば、設定した深さで穴があけられる。
ただ、このドリルストッパーは樹脂製で錐に固定できるけど、強く押すとズレちゃう。
でもストッパーが当たるとわかるので、それ以上押さなければ大丈夫。
次は下穴の適切な太さについて。
このコーススレッドのビス径は写真では4.03mm、ざっくり4mmって感じ。
基本通りにするとしたら、4mm×0.7(70%)=2.8mm
2.8mmなんて中途半端な下穴錐は持ってないので3mmの下穴錐で下穴をあける。
下穴をあけてビスを打ってみた感じは、とてもスムースに入ってく感じ。
2.8mmがビス径に対して70%で3mmの方が近いんだけど、こういう2.8mmみたいな時はあえて小さい方でキリのいい数字で2.5mmとかでいいと思う。
下穴が少し小さいぐらいの方がビスの効きが良くなるように感じる。
いちいち70%とか80%とか計算するのは面倒な場合は、ビスのネジ山の間の軸径を測るってもアリだと思う。
ビス径(ネジ山込み)4mmでネジ山の間の軸径が2.7mmなので2.5mmの下穴錐を使うって感じ。
基本的にはネジ山部分が材木に食い込むことでビスが効くので、とても合理的なやり方だと思う。
ハードウッド(広葉樹)の下穴
基本は、
- ハードウッド(広葉樹)の場合:
- ビスの直径の約90-95%のサイズの下穴。
- 直径3mmのビスを使用する場合、下穴の直径は約2.7mm~2.9mm。
- 直径4mmのビスを使用する場合、下穴の直径は約3.6mm~3.8mm。
本当に下穴をちゃんとしなければいけないのは広葉樹のような硬い木材。
写真は「欅(けやき)」材。
欅は樹種の中でもかなり硬い部類の木材なんよ。
これを使って色々試したいと思います。
まずコーススレッドビスを下穴をあけずにやってみます。
ある程度入ったところでビスがそれ以上入っていかない!
無理くりやろうとしてもビットが弾かれてしまう。
コーススレッドはプラスのネジ穴が深いから弾かれるだけだけど、木ネジなんかは一発でネジ穴が潰れてしまう。
針葉樹しか触ったことがない人は、木にビスが入っていかないってのがピンとこない人もいるかもしれない。
それだけ硬いってことなんだよね。
下穴をあけないとビスの体積分の逃げ場がないのでビスが止まるか、木材が割れることでしか力を逃がせない。
次はコーススレッドのビス径4mmで、下穴錐2.5mmで下穴をあけてみます。
ビス径に対して60%の下穴ってことだよ。
ビス径に対して60%では、やはり下穴が小さいようだ。
ある程度入ると止まってしまう。
次は3mmの下穴錐で下穴をあけてみる。
ビス径に対して約70%ぐらいの下穴。
針葉樹の場合の基本の下穴サイズぐらい。
3mmの下穴でもビスが入っていかない。
ね!針葉樹では全然OKと言われる下穴でも硬い樹種には通用しないんよ。
じゃぁ次は4mmだ!
4mmっていってもテーパー状になってる錐の根元部分の最大が4mmなので、三分の二ぐらいまでにします。
根元まで貫通させてしまうとビス径と同じになってしまうのでビスの効きが心配なので。
なので下穴はおそらく3.6mm~3.7mmぐらいだと思う。
ビス径に対して約90%~95%。
ようやくビスが打てました。
広葉樹の硬い樹種の基本とされている90%~95%の下穴サイズと合致する。
入っていく感じも適度な抵抗があるのでビスの効きもちゃんと得られると思う。
硬い木材ってのは本当にビスの体積分の逃げが効かないので、ほぼほぼビス径に近い下穴をあけないとならないってことがよくわかる。
たかがビス止めなんて思うかもしれないけど、ちゃんとした知識がなければ広葉樹は相手に出来ん。
なんか説明で広葉樹=硬いみたいになっちゃってるけど例外もあるからね。
大体硬いけど。
桐みたいな柔らかい材も広葉樹。
硬い樹種を相手にする時は、僕は鉄工用ドリルを良く使う。
テーパー形状の下穴錐だと、途中で止めると下穴の径が何ミリなのかよくわからない。
鉄工用ドリルだと根元から先まで同一の径なので、シビアな下穴に適しているように思うんだよね。
適切な下穴サイズがわかったら、それに適したサイズの鉄工用ドリルで下穴をあければ、ドリルの径=下穴サイズとなるから。
まとめ
この記事のおさらい。
ソフトウッド(針葉樹)の場合は70~80%が基本
だけど僕の経験則だと50%ぐらいでもいいと思う。
もしそれで割れたりするのであれば70%とかにすればいい。
ソフトウッドといっても樹種の硬さはそれぞれなので絶対に70%の下穴じゃなければダメってことはない。
あくまで基本は基本。
ハードウッド(広葉樹)の場合は90~95%が基本
これは大体基本通りだと思う。本当にこれぐらいの下穴が必要。
ハードウッドと言っても硬さはそれぞれなので、ハードウッドにしては柔らかい場合は90%の下穴で、今回の欅みたいな硬い樹種は95%とかがいい。
適切なサイズの下穴をあけると、木材の割れを防ぎ、ビスの保持力を最大限に引き出すことができるよ。
ビスって手軽に使えるものだと思ってるかもだけど、場合によってはちゃんとビスを打つ準備をしてなければビスすら打てないんす。
ではまた。^^
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参考下穴錐(したあなきり)の種類と木材に下穴をあける理由
ビスや釘などを購入すると取り扱い説明とかに下穴をあけて利用してください。なんて書いてあるのを見たことあるよね。 下穴というのは、ビスなどを打つ前にあらかじめ穴をあけておくことだよ。 ホームセンターの木 ...
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