ハタガネ・クランプ

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初めに揃えたい【木工クランプ】の種類と使い方。

木工をやる人ならプロだろうが誰しも持っているクランプについて経験に基づいて解説していこうと思う。

クランプは材料を固定して安全に作業することにも使うし、ボンドなどを圧着するために使用したりする。

ボンドは圧着させることで本来の接着力を引きだせるものなんだよね。

作業の時に使う場合は固定するため

ボンドをしっかりと付ける場合に使用する時は圧着させるため

スタンダードな使い方だと、ざっくりと分けるとクランプ系の使用目的は、この二点だと思う。

自分は各種何個も持っているけど、それでも時々足りなくなることがある。

クランプやハタガネは何個あってもいい道具の一つだと思う。

クランプ

クランプ

F型クランプ(L型クランプとも言われる)

写真は昔からある代表的なクランプ。

アルファベットの「F」に似ているからそう呼ばれているんだと思う。

見方によっちゃ「L」にも見えるのでL型とも言われてるんだと思う。

商品名にFとかLとかついてるからそう呼ぶってのもあると思う。

クランプ各部名称

クランプ各部名称

クランプの各部名称は、「うで」「あご」「くち」「ハンドル」なんて言われている。

クランプを選ぶ際ポイントは

  • 最大フトコロ深さ
  • 最大口開き幅

※欲を言ったら挟む口の所がゴム製などで出来ていれば挟んだ時に傷つけない。

この二つでクランプって道具の限界が決まる。

このクランプは何個あってもありすぎるってことはないと思う。

数こそが正義ってクランプ。

フトコロ寸法

クランプ説明

上画像のクランプの最大フトコロ寸法は「約145mm」となっている。

物を挟む時、最大で14.5cm奥まで入れて挟むことが出来る。

クランプ説明

上画像の最大フトコロ寸法は「約80mm」

物を挟む時、最大で8cm奥まで入れて挟むことが出来る。

こんな感じでサイズの大きいクランプは奥まで入れて挟むことができる。

サイズの小さいクランプは手前の方にしか挟むことができない。

クランプふところ

クランプのフトコロ寸法によって挟む奥行が変わる。

口開き寸法

クランプ説明

クランプの口がどれだけ開くのか?って寸法になる。

この口の開きの最大値以上のものはクランプすることは出来ない。

クランプのうでが長ければ長いほど、長い物をはさんで締めることが出来る。

使用場面

クランプは作業を安全に出来るように材料を固定することができる。

材料が不安定で切ったり削ったりするのは結構危険なことなんだよ。

怪我をするような時は、固定しなかったか、固定が甘かった時などにおこる。

安全に快適に作業するためにもクランプは複数本持っておきたい。

材料の固定だけではなく、板と板をボンドをつけて重ねて厚みを増したい時などもクランプによる圧着が有効だ。

木材クランプ

作業台と材をクランプで固定すると作業がやりやすい。

材料クランプ

ノコギリで切る時も、材料が動かないと材がブレないので切りやすい。

ハタガネ

ハタガネ

ハタガネ

昔から使われている木工の締め具のハタガネ。

大工さんの手伝いに行った時「ちょっとそこのハタとって」なんて言われて何のことかわからなかった。

後で聞いてみると「昔はみんなこれのこと締ハタって言ってたんだよ」って聞かされ納得。

家具屋、箱屋、ふすま・障子屋、は皆きっと沢山持っていると思う。

家具の組み立ての際には絶対必要だと思う。

昨今では、クランプの構造でハタガネみたいな商品もあるが、木工初心者であれば持っておいて損はない。

ハタガネ各部名称

ハタガネ各部名称

ハタガネを構成する各部名称は、「締め付けネジ」「棹」「あご」なんて言われている。

ハタガネを選ぶポイントは

  • 最大口開きサイズ
  • あごの深さ

この二つがハタガネっていう道具の仕事の限界値になる。

あごの深さ

ハタガネ説明

あごの深さとは上画像の矢印の部分だけど、ハタガネの「あご」は基本的にあまり長くない。

ハタガネの棹が長い物になるに比例して「あご」も少し大きくなるって感じだと思う。

口開き

ハタガネ長さ

上画像の矢印が口開きで、どれだけ長い材を挟めるかってことになる。

ハタガネの棹が短ければ小さい物用、棹が長ければ大きい物用となる。

ハタガネもサイズ別である程度は揃えたい所。

小さい箱を作って、メチャクチャ長いハタガネなんか使ったら重いし使い勝手が悪い。

やはり作る物の大きさによって使い分けした方がいい。

ハタガネを締める時の注意

ハタガネ

ハタガネを直に挟んでグイグイ締め付けると木材を鉄で締めてる訳だからキズがつく可能性がある。

自分の扱い慣れた樹種とかだと、どれくらい力を掛けると傷になるとわかってくるから、キズつけない自信があるのであれば、しなくてもいいと思う。

ハタガネ傷

わざとグイグイ締め付けてみた。

上画像にうっすら縦に線が入ってしまっているのが見えるだろうか?

ハタガネ当て木

いらない端材なんかをハタガネの間に挟む(当て木)すると傷や押さえた後が残らない。

使用場面

台製作

何かを作って組み立てる時はハタガネは必須。

複数個作る時は何個あっても足りなくなることもある。

ハタガネ

ハタガネを外す時、ネジを緩めても「あご」が外れない時がある。

そんな時は画像の辺りを軽く叩いてやると外れるよ。

コーナークランプ

コーナークランプ

コーナークランプ

ダボやホゾ組みではなくビスなどで接合したいって時になると便利。

箱物の骨組みなんかを組み上げる時など90℃を保持しながらビスで止めるの中々難しい。

90℃で固定した状態でビスを打てるとしたら、安全だし簡単だ。

それを実現したのがコーナークランプう

コーナークランプを選ぶ際のポイントは

  • 最大口開きサイズ
  • 口の深さ

使用例

コーナークランプ

コーナークランプに材を挟んで、接合したい材をピッタリ合わせたらネジを回して材を固定する。

コーナークランプ

ボンドを塗ってコーナークランプで固定すれば材は動かないので安心してビスを打つことが出来る。

木材がグラグラ安定しないと、そっちにばかり意識がいってビスを打とうとするとポロっと落ちてしまったり「あぁもう!」ってなりがち。

材が安定しないなか、90℃でビスを止めるってのは以外に難しいけど、これなら安心だと思う。

コーナークランプ

四角い扉や額縁などを組む場合は、4墨をコーナークランプで全部固定することもできる。

コーナークランプ

心配ならスケールで対角を測る。

コーナークランプ

対角が同じ寸法であれば90℃ということになる。

斜め接合

斜め(留め)で接合したい時は固定しないとより大変だと思う。

コーナークランプ

コーナークランプを使えば固定できるので作業がしやすい。

コーナークランプ

材の厚い場合は、大きいコーナークランプを使う。

口の深さが若干深い。

コーナークランプで固定してビスを打つ説明

材が固定されて動かないから角がズレずにしっかりとビスを打てる。

固定され、材の動きに意識がいかないから、ビスを打つ作業だけに意識を向けられる。

怪我する時って、意識が一つに向いてない状態の時が多く、意識することを一つに集中させるってことが安全につながると思う。

C型クランプ

C型クランプ

C型クランプ

見たまんま「C」って形をしてる。

自分は結構小型のやつがいっぱいある。

小さくてもC型クランプはシャコ万力と呼ばれるらしく、締める力が結構強い。

大型のものになれば、万力のよういグイグイと力強く締められる。

コーナークランプを選ぶ際のポイント

  • 最大フトコロ寸法
  • 最大口開き寸法

使用場面

F型クランプより強く締めたいなど、C型クランプで力強く締めたい時などに使用する。

自分は小型のC型クランプしか持っていないので、小さい物をクランプするのに重宝している。

使用頻度は低いけど、必要な場面になった時にあると便利。

ベルトクランプ

ベルトクランプ

ベルトクランプ

額縁や枠物や箱物なんかに使用できる。

四角い箱を組み立てたる時などベルトを箱に巻き付けてグリップを回して締め付ける。

四角だけじゃなく多角形や円形でも圧着させられる道具。

使用場面

ベルトクランプ

四隅のコーナーに直角保持するプラスチック状の物をセットしてグリップを回して締め付けてコーナーを圧着させる。

ベルトクランプが使える場面だと、ハタガネを何本も使ってジャングルジムのようにしなくてもいいので、あるととても便利だ。

ハタガネを6本も7本も使うと重くて移動させるのも一苦労する。

2、3個あるといいかも。

スプリングクランプ(バネクランプ)

スプリングクランプ

スプリングクランプ

スプリングクランプは洗濯バサミと構造は一緒。

なので、開いたまま保持できない。

バネの力で戻るのが特徴。

使用場面

杉板2枚

精度を必要としなくて、薄い二枚の板を重ねて接着したいとする。

板をスプリングクランプで固定しているところ

ボンドを塗って洗濯バサミのように開いて挟むだけだから簡単に使える。

気楽に使う場面では重宝する。

バイス(万力)

バイス

バイス

「バイス(万力)なんて木工で使えねぇだろ」なんて声が聞こえてきそうだが結構使う。

作業台にベンチバイスを取り付ける人もいるが、作業台の取り付け作業が必要だ。

テーブルの出っ張りに固定すればすぐ使えるバイスも便利。

バイス

テーブルにはさんでネジを締めるだけで固定できる。

このバイスがもう一つあれば、材料の幅で左右で固定すれば材をしっかり固定してくれる。

使用場面

バイスで木材を挟んでいるところ

直接板を挟むと材がキズがつくから、当て木をして挟む。

ハンドルをくるくる回して材をしっかりと固定する。

バイスに木材を挟んで木工ドリルで穴をあけるところ

穴開け作業も、材が動かないのでやりやすい。

特に材が小さいと手で押さえずらい時にバイスは便利。

バイス

ちょっとぐらいなら、一個のバイスだけでも、切れる鉋であればかけられる。

切れないカンナだと、1個のバイスだけだと動くかもしれん。

その辺りは臨機応変でやってみて。

まとめ

今回は材料の固定する道具を紹介したけど、固定するだけで作業はずっと楽になると思う。

初心者こそ、材の固定をしっかりやった方がいいんじゃないかな。

「材料の固定=安全な作業」につながると思う。

ホゾ組みやダボ接ぎなんかをやりたい人は、ハタガネなんかの圧着道具は必須になる。

ホゾなんかを奥までしっかり入れた状態でボンドで圧着させることで、ホゾもボンドも本来の強さが出ると思う。

ビスだけで組む人は、ビスを打ち込むだけでビスの頭で引っ張ってるのでハタガネとかはいらないかもしれない。

ビスを打ちやすい状態を、材が動かない状態を作り出すためにはコーナークランプだったりハタガネだったりが必要かもしれない。

安心・安全な作業でエンジョイ・DIY。

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