良く名前が似ているから間違われやすいのが「オイルフィニッシュ」。
簡単に言ってしまえば、
- オイルステイン→着色が目的で、ニスやウレタンなどで上塗りが必要
- オイルフィニッシュ→着色しながらワックス成分などが入っていて、この塗料だけで完結する
※オイルステイン着色後、あえて上塗りをしないってのもある。
※オイルフィニッシュでも塗り重ねや、仕上げにクリアのオイルとか塗る時もある。
まぁざっくりとこんなイメージと思ってもらえれば大丈夫。
オイルフィニッシュについては下記の記事を読んで欲しい。
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参考木材に塗るオイルフィニッシュって何?について説明
目次1 オイルフィニッシュをざっくり解説1.1 オイルフィニッシュの良い所1.2 オイルフィニッシュの悪い所2 オイルフィニッシュの種類2.1 ワトコオイル2.2 オスモ2.3 プラネットカラー オイ ...
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目次
オイルステインの種類
オイルステインには「水性」と「油性」がある。
一般的に良く耳にするオイルステインは油性だと思う。
カラーの種類が豊富。水性は匂いがキツくないのと水で薄めることが出来る。塗布で使用した刷毛も水で洗えるの後処理も楽。総じて取り扱いしやすい。
油性は色が濃く深みが出るので家具などの塗装にも用いられる。匂いがキツく、塗布した刷毛はペイント薄め液、もしくは専用の刷毛洗浄液。
水性と油性の違いは扱いやすさの違いでもある。
色の濃さは水性でも出せるけど、色の深みに関しては油性の方が優れているとは思う。
オイルステインとアクリル系塗料(ペンキ)との違い
アクリル系塗料とは、主に絵の具やペンキのような造膜系塗料のことを言う。
造膜系塗料を木材に塗ると表面をコーティングしてくれるイメージで木材を保護してくれる。
野外とか雨、風、直射日光の厳しい環境にさらされるような場所にペンキなんかを使ってるんだよね。
その変わり木目が消えるよ!
「何かを得るためには何かを失わなければいけない」とでも言うのか。
塗料にそんな哲学的なことを持ち込まれても困る。
そんなこんなで出来上がったのが「オイルステイン」だと思う。「たぶん。」
木材に染み込んで浸透した塗料が木の木目を綺麗に浮き上がらせる。「素晴らしい。」
新品の木材を古材のようにも見せてくれる。「エクセレント!」
「あれ?木目が綺麗に出ることはわかったけど、表面保護は?」と勘の鋭い人は気づいちゃうよね。
そう、だから上塗りが必要なんだよね。
オイルステインで着色して透明なニスやウレタンで表面保護をするんだ。
そうすれば、木目が見えて表面保護もしてくれる。
何も失わず得ることが出来るんだ。「やったね」
オイルステインに上塗りしないで使えないの?
オイルステインに上塗りを絶対しなくちゃいけないのか?と言われたら「しなくてもいい」。
ただ、色移りするよ!
着色した表面に透明な硬い塗膜を作れば、色移りがしないことはイメージ出来ると思う。
もし、塗膜を作らなかったら?着色したその物が表面にあるよね。
オイルステインは浸透性塗料って書いてある。
だから完全に乾ききっていない時に触ったら、こっちにも浸透してくる。
※こっちにも浸透といっても体の中に入ってくるわけではない。手の表面とか服とかに少しついちゃうかも。
DIYで簡単なベンチを作ってオイルステインで塗ったとしよう。
ある程度乾いてから使用したとしても、絶対に色移りしないか?と言われたら答えは「NO」と言わざるを得ない。
もしかしたら、気になるほど色移りしないかもしれないし、がっつりと色が移る可能性もある。
それは、どれくらい乾かしたか?とか、塗った木材はなんなのか?とか、オイルステインのメーカーはどこのを使ったのか?
など、原因を特定するのは至難の業。
もし、オイルステインで塗って上塗りをしない場合は、色移りはある程度すると考えて使用するのがベターだ。
逆に、座ったりして衣服と密着しないような物、例えば、「額、小物入れ、飾り棚」など直接触る機会が少ない物であれば、あえて上塗りはしないってのはありかもしれない。
ニスやウレタンで上塗りすると、木材は濡れ色になる。
濡れ色になることで発色が良くなり高級感を演出することができる。
裏を返せば、上塗りしない場合は濡れ色にはならないので、「遊び心」や「無骨」だったり、カジュアルな感じを演出できる。
オイルステインも塗った時は液体なので濡れ色になる。
しかし乾いてしまえば濡れた感じは消え、軽い感じの色味になるよ。
色移りなしで高級感を演出したいなら上塗りはマスト。
色移りがあることも許容して、無骨な感じでカジュアルさを優先するなら上塗りはしない方がいい。
オイルステインの着色の色味は木によって変わる
上画像の上の段が杉、下の段が桐。
同じオイルステン同じ色で塗っても、色味の印象は大分違う。
その原因は、様々な要素がありこれと限定出来るものではない。
原因をあえてあげるとしたら
- もともとの木の色を反映してしまうからってのはあると思う。
- 水分を吸い込む木材なのか吸わない木材なのかってのもあると思う。
- 油分の多い木材と油分が少ない木材。
なので、よくメーカー発表の色見本とかは大体当てにならない。
実際使ってみると「あれ?イメージと違う」なんてことも割とよくある。
これを解消するためには、皆が使用するであろうすべての木材で色見本を作るしかない。また、同じ濃さの色でも「小さい物に塗った時」と「大きい物に塗った時」では感じる印象が違う。できれば、「小さい板材の見本」と「大きい板材の見本」の両方が必要になる。ここまでしてくれたら色見本も信用が出来るかもしれない。※それでも実際に自分の見た色と写真とかモニターの解像度とかで多少の違いはあるんだけどね。
じゃあ、メーカーの色見本に意味がないかって言うと意味はある。
そもそも購入する人に「基準」を作っているからだ。
色見本がない状態で、言葉だけで「〇色」で、後は実際に使ってから確認してください。
「いや、ちょまて、色見本ぐらい作れや!」となる。
だから「色見本」で大体の色がわかるだけでもありがたいって話。
「こんな感じの色がいいんだけどなぁ」が決まったら、実際に自分が使う材料に塗ってみるしかない。
ネットですでに、「木材はこれ使って、どのメーカーの何色のオイルステインを使用して、〇〇を作った。」なんてのはとても参考になる。
実際に試さないとわからないことを誰かが先にやって、いい感じになるってことを証明してくれている訳だから。
オイルステインどのメーカーがいい?
オイルステインも屋外用や屋内用、さまざまなメーカーから出されている。
もちろんすべての塗料を使用したわけではないのだが、家具などのDIY向けのオイルステインを自分の経験の中から紹介しようと思う。
ニッペ オイルステイン 屋内木部・木製品 油性
昔はホームセンターで売ってたんだけど、ある時からなくなっていた。
最近はホームセンターも自社ブランドとしてオイルステンを出してきてはいるが、今の所はあまり使いたくない感じだ。
昔(30年ぐらい前)は容量の小さいのがビンで売っていたんだよねぇ。
それぐらいオイルステインとしては歴史のある塗料だと思う。
ラッカー、ウレタン、ニス、などの上塗りとの相性もいい。
市販の塗料としては自分が一番使ったオイルステインかもしれない。
ニッペ WOODLOVE オイルステイン 油性
ニッペも最近はどちらかと言うとWOODLOVEの方に力を入れてるような気がする。
これは場所にもよるがホームセンターで取り扱ってる所もある。
このオイルステインは同じWOODLOVEのシリーズの中にウレタンニスなどもあり、上塗りをどれにしようか迷わなくて済む。
ホームセンターで取り扱いがあり、価格もお手頃なので手にしやすい。
色も木材の染まりもよく、ウレタンなどで上塗りしればプロ顔負けの作品だって出来る。