鉋の下端調整を台直し鉋で調整して、最後に微妙に鋤取り(すきとり)たい時にスクレーパーがあったら便利。
鉋の下端調整ってのがわからない人は鉋の性能を引き出す!下端調整台を作って台直しを楽にの記事を少しわかるかも。
そこで今回は、カッター刃と木材を使って、鉋の下端調整に最適なサイズと形のスクレーパーを自作することにしました。
材料は身近にあるものでOK、しかも作り方はシンプル。
ちょっとした調整にもサッと使える、自分仕様の便利ツールが完成しました。
この記事では、その作り方から使い方、実際の使用感まで詳しく紹介します。
💡こんな方におすすめ
- 鉋の下端調整の鋤取り(すきとり)をしたい
- 小回りの効くスクレーパーが欲しい
- DIYで木工用の道具を自作してみたい
動画と合わせてご覧ください。
目次
使用する材料
スクレーパー自作に必要な木材

今回作るスクレーパーの刃には「オルファカッターの替刃」を利用します。
50枚入りで購入しておけば、そうとう使えるのでコスパ的には最強!

カッターの刃だけじゃ使いにくいので、木材で挟んで使えるようにしたい。
選んだ木材は「ナラ」材。
ホームセンターで丁度いい大きさのナラ材が650円ぐらいで売ってたのを購入しました。
ナラ材を選んだ理由は、カッター刃を挟んで固定するので、杉材やパイン材などは柔らかいので挟んだ時の圧が逃げそう。(しっかり固定できない)
柔らかい木材だと摩擦で擦り減る。(結果、しっかり挟めなくなる)
なのでナラ材でなくても良かったんだけど、狂いが少ない樹種で硬い広葉樹の木材ならなんでも良かった。
あとはなるべく安く手に入るかどうか!
ホームセンターには杉やパインや合板は売ってるんだけど、ナラ材のような広葉樹って置いてある所ってあまりないんだよね。
うちの近くのビバホームは、あまり大きな材はないけど少しだけ広葉樹を取り扱ってるので、掘り出し物がたまにある。
ナラ材(楢・なら)は日本でもよく使われる人気の広葉樹。
英語では一般的に oak(オーク) と呼ばれていて、特に「ホワイトオーク」に近い種類が多いかな。
メモ
🛠 ナラ材を使うメリット(DIYスクレーパーの場合)
-
刃をしっかり挟める硬さと安定性があるので、道具作りに最適。
-
加工後にオイルを塗れば、美しい仕上がりと高級感が出る。
-
ネジやボルトを締め付けても割れにくく、構造がしっかり固定される。
-
使い込むことで味のある経年変化も楽しめる。
ナラ材なら見た目と強度のバランスがよく、長く使えるスクレーパーになるんじゃないかと思う。
近くのホームセンターに広葉樹の取扱いがない場合はネットで硬い木材の「端材の詰め合わせ」とかを購入するのがいいんじゃないかな?
1本単位では買えず、詰め合わせで3000円ぐらいだけど、硬い木材ってのは小さくても色々な用途に使える。
杉やパイン材しか知らず、硬い広葉樹は初めてって人にはおすすめ。
人気のウォールナット、ブラックチェリー、ホワイトオーク、の端材詰め合わせとかもあるよ。
サイズ
完成時のスクレーパーのサイズ

完成時の自作スクレーパーのサイズはこんな感じね。
もし似たような感じで作りたいって人は参考にしてください。
幅80mm×長さ145mm。
カッター刃を挟むため、16mm厚の材2枚で挟んでいます。
木材の平面出しと厚みを整える
木材をまっすぐ&適正な厚みに整える方法

加工済みの木材を購入したのだけど、写真を見てわかるように反りが少しでていた。
カッター刃を挟んで固定するので、均一に力が加わるようにしたい。

そういうわけで手押しカンナで木材の反りを取って平面を出す。

定規を当てて確認。
しっかりと平面が出たよ。

手押しカンナで平面が出たので、それを下側にして自動カンナで反対側の平面を出す。
この時に必要な厚み16mmになるまで何回かにわけて削った。

反対側の平面もしっかりと出ました。
必要なサイズに木材をカット
スクレーパーに最適なサイズの木材をカットする

カッター刃を挟んで使うので、カッターの刃をすっぽりと包める大きさにカットします。
カッター刃を挟んで使うので同じ大きさで2枚カット。
ボール盤でネジ穴をあける
ネジ止め用の穴をボール盤で正確にあける方法

カットした2枚のナラ材に蝶ネジを入れる穴をあけるのですが、2枚同時に穴をあけたいので両面テープで2枚を固定。

ズレないように当て木をしながら、くっつけました。

穴をあける位置は、カッター刃の出る場所から30mm、横から40mmの位置に決めました。

錐で突いて穴あけのきっかけを作って、ボール盤にドリル径6mmで穴あけしました。

使用したドリルは「竹用ドリル6mm」。

穴あけ位置はカッター刃に近ければ違い程、蝶ネジで締め付けた時にしっかりと締め付けられるが、近すぎると邪魔になる。
なので少し後ろの位置に穴をあけました。
カッター刃の位置決め加工
ルーターテーブルで0.2mm削る

カッター刃の厚みが0.5mmなので、カッターの刃が3mmぐらい出る場所で0.2mmぐらいルーターテーブルで削りました。
注意するのはカッター刃の厚み0.5mm以上は削ってはいけない。
0.5mm削ってしまうとカッターの刃と同じ厚みになってしまうので木材で挟んだ時に刃を締め付け固定することが出来なくなる。

少し削って段をつけたことによってカッター刃がそこで止まるようになってる。
0.2mm~0.3mmしか削ってないのでパッと見よくわからないけど、これ以上削ると刃がスポって抜けちゃうから注意。
先端を45°にカット
カッター刃を挟む先端を45°にカットして使いやすく

カッターの刃を挟む先端は45°にカットしておきます。
テーブルソーに自作のクロスカットスレッドを利用して45°カットしてますが、スライド丸鋸でも簡単に45°にカット出来ると思います。
※スライド丸鋸に限りませんが、小さい部材を切る時はくれぐれも気を付けてください!

なんのために45°にカットしたのかと言うと、上の写真を見てわかるように、四角い材のままだと斜めにすると角が当たってそれ以上斜めにすることが出来ない。
スクレーパーは少し倒して使うこともあるので、斜めに倒すことが出来ないと使いずらい。
深く倒したいなら45°以上、例えば30°とかにすればさらに斜めにすることが出来る。
その代わり、材が薄くなるのでカッターの刃を挟み込んだ時の力が弱くなるかも?
僕の用途だと45°ぐらいが丁度いいかなって思ってそうしました。

スクレーパーを持つ時に掴みやすいように反対側も45°でカットしました。
オイルで仕上げて木肌を保護
木材にオイルを塗って見た目と耐久性をアップ!

オイルを塗って仕上げました。
塗らなくても問題ないけど塗っておくと、この自作スクレーパーを使用した時に出た削り粉が付着しにくい気がする。
使用したオイルはオスモのエキストラクリアー。
カッター刃をセットして固定する
カッター刃を挟み込み、蝶ネジとボルトでしっかり固定

ボール盤で6mmの穴をあけた所にワッシャーをかましてM6の蝶ネジを入れる。
ネジ部分の長さは40mmのやつを使用。
このスクレーパーを持つ時に蝶ネジの頭が邪魔と感じるようであれば、ナベ頭のネジを使えば邪魔にならないと思う。

裏にもワッシャーをかましてナットを入れる。
このナットもナットの形状で掘って木材に埋めてしまえば尚スッキリする。
出っ張りが気になるって人は、そんな感じで作って下さい。

蝶ネジを少し緩めた状態でカッター刃を入れて、ルーターテーブルで削った段の所まで刃を入れ。

蝶ネジを締め付けてカッター刃を固定したら完成!
刃先は3mmほど出るようになってます。
カッターの刃は薄いので、あまり出し過ぎると、刃がたわむのでやりずらいかもしれないと思って3mmにしました。
自作スクレーパーを使用した感想など
鉋の下端調整にぴったり!スクレーパーの使い方とポイント

実際に使ってみたが結構使える!

余ったナラ材で試してみたけど、硬いナラ材の表面がちゃんと削り取れた。

試しに鉋の下端も少し削ってみた。

鉋の台は樫(かし)っていう凄い硬い木材で出来ているので、楢(なら)と比べても削った感じが違うね。

鑿(のみ)をスクレーパーとして使ってもいいけど、鑿は大きいやつでもカンナの幅ほど大きいものがない。
今回作った自作スクレーパーにはカッターの刃を利用しているので鉋の台の幅、端から端までいっぺんにかけることが出来る。
また、鑿をスクレーパー代わりにつかった場合は刃を研ぎ直す必要があると思う。
鑿を立てて使うので刃先に負担がかかるので、切れやむのが早い。
カッター刃だったら使い捨てにしてもいいので、メンテナンスの手間がいらないのがメリット。

今回作ったこの自作スクレーパーのカッターの刃がちゃんと固定されてるの?が気になる所だよね?
なので、刃先をプライヤーで掴んで思いっきり引っ張ってみたけどビクともしなかった!
ルーターテーブルで削った所が段になっているのでカッターの刃はそれ以上奥にもいかない!
しっかりとカッターの刃を締め付けて固定出来ているようだ。
最後に
スクレーパーは鉋の下端調整以外でも使える
スクレーパーって鉋の下端調整だけじゃなく、考え方次第で色々と使える。
- 鉋の下端調整
- 汚れやサビ落とし
- はみ出し接着剤の除去
- シール・ラベルはがし
- パテ成形
もちろん、今回作った形状にこだわる必要はなく、用途に応じて使いやすいように作ればOK。
今回はカッターの刃を利用したけど、使えなくなったノコギリをカットして使ってもいいし、電気カンナの替刃をつけても使える。
今回作ったのは刃先3mmぐらいしか出してないけど、もっと長くしてパテの成形に使ってもいいし、はみ出した接着剤の除去に使ってもいい。
ボンドの除去のように刃先が尖ってなくてもいい場合もあるから、その辺りは自身で考えてください。
応用次第で色々な場面で使えると思う。
スクレーパーなどは市販でも売ってると思うけど、自分で作ると愛着が生まれる。
それほど難しくないので、ぜひ作って見てください。
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