木工DIYもある程度のレベルになると「ホゾ組」にチャレンジしてみたくなるのではないだろうか?
もちろん鑿(のみ)を使って手掘りでも四角い穴は掘れる。
いわゆる「手掘り」ってやつだ。
手掘りには手掘りの良さがあると思うが作りたい物は山ほどある。
時間は限りがあるのだ。
なので、なるべく時間をかけずに「ホゾ穴」をあけたいと考えるのは至って普通だと思う。
しかし、プロが使うような「角のみ盤」非常に値段も高いし、家庭用電源では使用できない「動力」を必要とするものが多い。
「電力」と「動力」の違いについては下記記事を読んで欲しい。
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参考単相と三相の違いは?木工で使う電動工具と機械の電源
あまり聞きなれない「単相」とか「三相」って何?について解説したいと思う。 木工の機械は家庭用の電源では使えないものもある。 DIY用のものであれば家庭用でほぼ使えるが、プロが使うような大きい機械の電源 ...
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ホゾ穴はあけたいがDIYでたまに使うぐらいで頻度としては高くない場合、あまり穴をあける道具にお金はかけたくないよね。
なので、ヤフオクで中古で手に入れた「角のみ機」が家具などのホゾ穴にも使用できるのかを試してみた。
まずは動画をご覧ください。
目次
日立工機「BS30SA」深穴角のみ機
日立工機「BS30SA」深穴角のみ機 |
AC100V |
穴あけ最大能力30×30mm |
深さ155mm |
角ノミの刃は、家具製作に合わせて9mmのものを使用している。
うれしいことに家庭用電力で使用できる。
普通、家具製作なんかで使う電動の角のみのことは「角のみ盤」なんていうだけど、これは「深穴角のみ」って言うらしい。
ヤフオクで1万円程度で落札したものだ。
現在でも1万円~3万円ぐらいで落札できると思う。
ただ、この安さは中古って言うのもあるけど、かなり前に廃番になっているので新品ではもう手に入らない。
1万円ぐらいで落札できるようなものは何十年も前のものだったりするのだ。
当たり外れはあるかもだけどね。
DIYで使用できる卓上タイプの「角のみ盤」は新品だと8万円以上するので、大分お得。
そもそも、この角のみは大工さんが柱にホゾ穴をあけるために使用されていたと思うので柱を挟みこんで使用するように出来ている。
なので、一般的な角のみ盤と形状が違うのだ。
現在は柱の加工(刻み)はプレカット加工で一連の刻み作業は機械が行うのが主流なので、この機械の需要が減ってしまっているのが現状。
「家具製作なんかで使う角のみと見た目がなんか違うから、これは家具製作では使えないんかな?」なんて思ってる人もいるかもだけど、自分はこれを使っていつもホゾ穴をあけている。
少しコツはいるけどね。
使いやすい高さにする
角のみ機は低い位置では使いずらいので、立って使えるように台を製作した。
台が縦長で、ちょっと不安定(笑)
機械が重いので倒れる可能性あり。
もう少し幅広に作ればよかったと後悔している。
角のみ機を使用中に刃が材に当たり掘り込もうと力を入れると機械の方が浮き上がってしまったことがあるので、ハタガネで四ヶ所を台と固定した。
写真のように機械が浮き上がらないように機械と台をハタガネで固定した。
固定してからは安定して穴あけが出来るようになったんだよね。
電動工具って簡単に木材がスムースに切れるものが多いけど、角のみは結構力がいるんだよね。
もともとが、柱を挟んで使うものだから構造上しかたがないのかもしれない。
角のみの取り付け
赤矢印の部分を回して角ノミのキリを外したり、固定したりする。
このキリってのは、四角いノミの中に入っているドリル状のやつ。
この六角穴にはまる工具が付属でついてたのでそれを使う。
赤矢印で外側の四角いノミの固定をする。
キリの固定する六角穴と同じなので、付属の同じ道具が使える。
まぁ、なければ径の合う六角を購入する必要がある。
材料の固定
穴をあけたい材料を入れて挟む。
本来この機械は、ここに柱などを挟んで使うものみたいだけど、自分は家具などのホゾもこいつを使ってあけている。
赤丸のハンドルで材料の固定したり、緩めたりする。
しっかりと固定できるまで回す。
上写真のレバーを上に引き上げるとしっかり固定される。
ハンドルを回して固定しただけだと、角のみを使っている時材料が動く時がある。
なので、このレバーは地味に大事かもしれない。
穴の位置に刃を移動
赤丸のハンドルを回すと、刃が横に動く。
刃が右に左に動いてくれる。
赤丸のレバーを手前に引けば刃が手前にくるし、奥に押せば刃が奥に行く。
スライドできる範囲で刃が縦に動く。
材料をしっかりと固定した状態で、機械の方をX軸とY軸に動かすことができる。
縦方向はレバーで動かすんだけど、すべりが悪くて微調整が難しいけど、慣れれば大丈夫だと思う。
スイッチ
スイッチは「入」ってボタンをポチっと押せば爆音で動き出す。
送りスピードの切り替えだと思うが、大きな角ノミを使用することはないので、早送りにいつもしている。
刃の昇降
材料の固定、刃の位置決めが終わったら刃を任意の深さまで切込む。
写真赤丸の切込ハンドルを手前にグルグル回していけば刃がどんどん降りて穴をあけていく仕組み。
ホゾ穴をあけるのだから、ホゾの長さによって掘る深さも変わる。
写真赤丸で深さを固定することができる。
ネジで固定するだけなので、緩めて移動させることで浅くしたり深くしたりすることが出来る。
だいぶショボいけど、ないよりはマシ!
手元を明るく
本来は柱などに穴をあける機械なため構造上手元が暗くホゾ穴の墨付けの線が、めちゃ見にくい。
そこで、この角にみを使用する場合は、ハンディライトで照らすようにして使ってる。
ちょうど手前に持ち手があるので、そこにひっかけて使うことで持ってなくても照らせるので便利。
精密な加工をする場合、明るく作業できることでずいぶんストレスを軽減できる。
墨がしっかり見えるようになった。
実際に穴をあけてみる
うん!ちゃんと四角い穴が掘れる!
ちなみにこの材は「欅(けやき)」なんだよね。
硬いケヤキも問題なくホゾ穴をあけられる。
家具などでプロが使うような「角ノミ盤」に比べたら少し使いずらい部分は正直ある。
だけど、手掘りでこれだけの穴をあけると考えると相当な時間短縮だと思う。
使い方のコツを掴めば、ホゾ組の家具のハードルもぐんと下がるんじゃないかな。
市販の「卓上角のみ盤」
Power sonic 角のみ盤
パオック(PAOCK) Power sonic(パワーソニック) 角のみ盤 KN-127
DIYでホゾ組がしたい!って場合は、これが一般的だと思う。
ホゾ組で毎回作るのであれば購入を考えてもいいかもしれなが、たまにしか使わないのであれば9万円は手が出しずらい。
一昔前のプロが使う動力タイプの「角のみ盤」でも中古市場で10万円ぐらいで売られている。
しかし、動力タイプを使えるようにするには電気工事が必要になるし、重量もさることながら、大きさもデカい!
限られたスペースでDIYを楽しむ人には、家庭用電力で使える「パワーソニック角のみ盤」を選ぶしかなない。
それか、中古で自分みたいに「日立工機BS30SA深穴角のみ」みたいなのを手にいれて、自分で使いやすいようにするのもアリだと思う。
ドリルスタンド
SK11 角のみアダプター&ドリルスタンド
SK11だけじゃなく、色々なメーカーから似たようなものが出ている。
電動の「角のみ盤」は価格が高くて手が出ないけど、手掘りよりは楽にホゾ穴をあけたいって人向けかな?
価格も1万円以内と手頃。
ドリルスタンドは、それだけでは使えず、ドリルドライバーが必要。
電動の動力はこのドリルドライバーから得ることで楽に掘れるって訳だ。
SK11のドリル刃・角のみ
ドリルスタンド、ドリルドライバー、角ノミの刃、と全部揃えるとなんだかんだで、2万円ぐらい?
まぁ、自分は使ったことがないけどね。
ただ注意して欲しいのは、角のみ盤を使った人はわかると思うけど結構な負荷がかかる。
それは、角のみは中にキリ(ドリル)の外側が四角いノミで覆われている構造で、基本的には中のキリ(ドリル)で穴を掘り進める。
ドリルで穴を掘り、その周りを鋭い刃の角ノミで力で押して四角い形状にしている訳だ。
なので、ドリルスタンドではその力に負けてしまいグラつきやガタツキがあり穴をあけずらかったりする。
まず、作りが軽く、フレームも貧弱。
角のみ盤は、本体の重さが使いやすさに関わってくる機械なんだよね。
それらを踏まえても、コツさえ掴めば手掘りよりかは楽にあけられると思う。
わかった上で購入する分には問題はないと思う。
まとめ
出来ればちゃんとした家具用の「角のみ盤」があればベストだけど、なるべくお金をかけずにホゾ穴をあけたいって人には参考になったりしたかな?
中古の機械だけど、工夫次第で今でも使えるものになる。
考えること、工夫すること、それを楽しめれば、それこそが自分なりのDIY!
角のみ盤を使う目的については下記記事を読んで欲しい。
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参考【DIY的】角ノミ盤をつかう目的と穴のあけ方
角ノミ盤は木材に四角い穴をあける道具。 丸い穴をあける機械はボール盤。ボール盤については下記記事を読んで欲しい。 こちらもCHECK 角ノミ盤が欲しいって人はホゾ組がやりたいって人ではないだろうか? ...
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