今回は手押しカンナ盤についてDIY的に押えておきたいってポイントを解説できればと思う。
ホームセンターなどの材料だけでものづくりをする人には、あまり馴染みがないかも。
見た目は、手で使う鉋(かんな)をひっくり返したような機械。
回転している刃に材料を押し付けながら削る。
動画でも解説しているよ。
木工所にあるような手押しカンナ盤は、電源が動力でパワーがあり鋳物で出来ていて頑丈で精度も狂いにくい。
写真は古いタイプだけど、今も個人で無垢の家具などを製作している人などは使っている。
もちろん作った会社は現在はないので中古市場に出回っているだけになる。
こういう機械は動力の契約をしないと使うことは出来ない。
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仕上げで手鉋をかけることはあると思うが、材料の時点で手鉋を使って綺麗な部材にしようものなら地獄の所業になると思う。
そんな時に必要になってくるのが手押しカンナ盤。
ただ、手押しカンナ盤は自動カンナとセットで使用するもの。
自動カンナについては下記記事を読んで欲しい。
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ここでは手押しカンナ盤の説明だけ。
まずは何を得意にしている機械なのかを知っていて損はないと思うので説明していこうと思う。
平面と直角
平面だし
木材と言うのは丸太を挽いて板状にして乾燥させるのだが、その乾燥させている途中で反りが出たり曲がったりする。
ホームセンターで売っているような四角い板になっているのは、反りや曲がりを取ったものが売られているんだよね。
主に荒材と呼ばれる材料の反りや曲がりを取るために「手押しカンナ盤」がある。
一面を平面を出すことによってこの面が基準面となるよ。
手押しって言う名前からわかるように、材料を自動で送ってはくれない。
手前から奥に手で材料を押しながら使用する。
手で材料を押しながら削るけど、写真のように厚みのあまりない材を手で押さえつけるのは危険!
プッシュブロックってのがあるから、それで押さえながら材を手で送るのが安全。
刃物の上を通すから材が薄いと刃と押えている指の距離が近いととても危険だからね。
直角をだす
平面をだし基準面をだせたら、その基準面に対しての直角をだす。
直角を出す際、手押しカンナ盤のフェンスが直角になっていなければ材料は直角にはなってくれない。
なので、フェンスが直角かどうかをスコヤで確認したりするが、一度セッティングしてしまえば毎回確認しなくても大丈夫。
矩を出す(直角)場合は、材料をフェンスに押し付けながら削る必要がある。
平にした基準面をフェンスに押し付けながら削ることで直角が出るからね。
この時も、指とカンナ盤の刃の距離が近くにならないようにプッシュブロックを使用するなりして対策して使ってね。
手押しカンナ盤は木工機械の中で、テーブルソーと同じぐらい事故の多い機械だからね。
この直角を出すことを「矩(カネ)を出す」なんて言ったりもする。
大工さんとかが「カネがでてねぇな」ってのは直角が出ていないと言っていることなんだ。
物づくりをする上で、平面と直角が出ている材料で作るのが基本だよね。
作りたい物の部材(各パーツ)を作る上で必要な機械。
曲線の脚、テーパーの脚を作る場合でも、平面と直角が出ていて、厚みも均一の材から作ることが多い。
無垢の木の物作りは、ここから始まると言ってもいいかもしれない。
ホームセンターの木材を使う場合は、それほど深く考えなくても大丈夫。
後は、この基準を元に厚みを削っていくんだけど、それは「自動カンナ」の仕事になる。
機械の構造
手押しカンナ盤の設定は、後定盤と刃の高さをピッタリにする。
そして前定盤を下げたり上げたりして削る量を決める。
刃より下げた分だけ削れることになる。
一回でたくさん削ろうとすると刃に負担もあるし何より危ない。
薄皮1枚削るぐらいの間隔で設定していくのがいいと思う。
削れた所とそうでない所は見ればわかるから、足りないようなら少しづつ調整しながら削るのがいいんじゃないかな。
材料の削られ過程
材料を左から右に押さえつけながら送っていくと前定盤を下げた分だけ刃が当たっていく。
刃の高さと後定番は同じ高さなので、削りとりながら後定盤に乗せていく。
こうやって材料が平になるしくみ。
動画で見るとわかりやすいのでぜひ見て欲しい。
動画内では平面出しをしているが平面を出した後、フェンスを利用して材の直角を出すことも出来る。
ナニソレDIY YouTubeチャンネル→https://www.youtube.com/@user-sy5nl7ks9j/featured
DIYに役に立つ動画をアップしていくのでチャンネル登録してくれるとうれしい。
DIYでつかうなら
DIYで三相200Vの大型の機械を家に置いてあるって人はたぶんいないはず。
DIY用でサイズは小さくなるけど、リョービ 手押しカンナ HL-6A がネットでの評判も良いみたいだ。
しかし、現在ではリョービ手押しカンナはどこも品切れで扱いがないみたいだ。
ヤフオクなどでは出品がちょこちょこ出てるから、そこから購入するのがいいと思う。
リョービ手押しカンナを実際に使っている人を見ると「音量が!」ってのをよく耳にする。
イヤーマフをして鼓膜を守った方がいいかもしれない。
手押しカンナ盤はその構造状、切削できる幅は、その機械の幅(刃物の幅)に限定される。
後定盤と前定番が長いほど直線が確保できる。
DIY用にそこまでは求められいが、ないのとあるのとでは大違い。
手押しカンナ盤があると出来ることの幅が広がる
脚物家具なんかの部材を削るのに適しているように思う。
曲がった材で仕上げると仕上がりも「う~ん」って感じになる。
木材を切断する機械「横切り盤・昇降盤」については下記記事を読んで欲しい。
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