テーブルソーのキックバックは矢のごとく

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テーブルソーでのキックバックを防止する方法。割刃があると安全度アップ!

DIYや木工などの作業において、テーブルソーは非常に便利な道具の一つ。

だけど、その利便性と同時に、危険性も併存している。

特に、テーブルソーのキックバックは、作業者にとって大きな危険をもたらす可能性があり重大な事故にもつながる怖い機械。

キックバックとは、刃が物を切り終わった際に、木材がテーブルソーから突き飛ばされること。

矢のごとく大谷翔平のストレートよりも早いスピードで飛んでくる。

幅の狭い材、要するに面積の小さい材が飛んでくると人間の体を貫通するほどの威力があったりする。

テーブルソーでなぜキックバックが起こるのか?のメカニズムを知れば、そうならない方法を取ることが安全につながる。

テーブルソーの中には、付属で「割刃、キックバック防止ツメ」なども付いているので、取り付けて使用することでキックバックの割合は軽減できる。

今回は、テーブルソーのキックバックについて、その危険性や回避方法について詳しく解説するね。

キックバックが起こる原理

刃の回転方向

テーブルソーの刃の回転方向

テーブルソーの刃の回転方向は、切り初めは上から下に、切り終わりの方は下から上に向かって回転している。

回転している刃は、切り初めは上から下に向かうので木材を押さえつけるようになるので、この時点でキックバックはおこらない。

問題は、後方の刃に当たり始めてから、後方の刃は手前に向かって回転しているから。

刃の回転方向の特性上、ある条件が加わることでキックバックが起こる。

材料(木材)が浮く

テーブルソーでキックバックが起こる時の解説図

木材をカットする時の材の正しい押さえ方を知っておこう。

木材が後方の刃の回転方向にあたると、回転方向を見ればわかるよういに材が浮きやすい。

薄くて軽い材なら特に浮きやすいので注意。

テーブルソーで材が浮く

こんな感じで材が浮いてしまうことがある。

テーブルソーで材が浮いて刃の上に乗る

材が浮いてしまうと、最終的には刃に引っかかって刃の上に乗ってしまうことがある。

刃の回転方向を考えると、この後どうなるかはわかるよね?

そう、キックバックが起こる。

テーブルソーでの材の正しい押さえ方

木材材はフェンスにしっかりと押し当てながらフェンスに沿って材を送るようにする。

材の出口側も浮かないように押えて、手前も下に押し付けながら材を送って切っていく。

テーブルソーで材が浮かないようにする

実際にやるとこんな感じ。

意識は常にフェンスに沿わせるように。

材が浮かないようにしているのが良くわかると思う。

この時使う棒状のものは自分が怖くない長さのものを選べばいいんじゃないかな。

幅を狭くカットするのに手で押さえてはダメだからね。

必ず押し棒(プッシュスティック)を使おう。

テーブルソーの木材と回転刃の関係図

材料がつながっている時より、切断が終わった瞬間に材が軽くなるので回転する刃の影響を受けやすい。

テーブルソーを使用する時、カットする木材の幅は、その時々違う。

幅の広い木材をカットする場合は比較的押さえやすいけど、幅が3cm以下になってくると押えずらいと思う。

これらの特性が分かっていれば、どうすれば浮かないように出来るのか?を自分で考えることが出来るし、考えなければならない。

自分だったら、幅の狭い材はいらない棒状のものごと切ってしまうかな。

端材なら押しながら刃にあたって切れてしまってもなんとも思わないからね。

刃とフェンスに材が挟まる

キックバックが起こりやすい解説図

木材を切り進める上で、入り口が広く、出口が狭い、そのような形はキックバックが起こりやすい。

入口の最初の刃で切削するだけでなので、切れた材を出口に向かって切っていくとフェンスと刃に材が挟まれてしまう。

挟まれた状態で、刃の後ろ側の手前の回転に触れると木材が自分の方向に矢のごとく飛んでくる。

これがテーブルソーでおこるキックバック。

なので、フェンスと刃の入口と出口は平行である必要がある。

安いテーブルソーなんかはフェンスを移動するたびに刃との平行がズレたりするので注意が必要だ。

もちろん、ズレることがわかっているなら、毎回、入口と出口の距離を測り平行を保てば問題ない。

移動のたびに測るのは面倒だけど、その分価格が安いのだからしょうがない。

そういう機種を購入したら自分の手間を惜しんではいけない。

逆に、入口を狭く、出口を広く(0.5mmぐらい)にすればキックバックは起こりずらいと言われている。

出口が広ければ材料が挟まれないので、キックバックの要因の一つは解決する。

自分は、フェンスと平行になるようにセッティングしているが、そもそも常に平行になりやすい機構のテーブルソーだと思って使ってる。

長さの短い材を横切り

テーブルソーで材の短いのを横切りの悪い例

こういう縦に細い材をフェンスに沿わせながらの横切りは悪い例。

フェンスにあてている部分の面積が少なすぎて、このまま刃と平行に切り進めるなんて不可能。

必ず途中で曲がるので、その時に材が詰まってキックバックが起こる。

マイターゲージを使って横切り

こういう場合はフェンスは使わず、マイターゲージを使う。

この方が刃と直角を保って切ることが出来る。

切り終わった材もフェンスがないので挟まれることはない。

マイターゲージはテーブルソーの溝にハメてスライドして使うものなんだけど、この時グラグラしないものの方が精度は高い。

自分のマイターゲージは付属のものだけど残念ながらグラグラする。

グラグラする場合、右なら右に寄せて右に沿わせるように意識することである程度の精度は出せると思う。

いずれ、もっといいマイターゲージを購入しようとは思ってる。

テーブルソーの付属パーツでキックバック防止

割刃(スプリッター)

テーブルソーの割刃

テーブルソーの刃の後ろにこんなやつがついているのを見たことがある人も多いと思う。

これは割刃、スプリッターとも言うみたい。

これもキックバックの防止に役立つ。

割刃の役割

本来、割刃がなければ刃の後ろ側はフリーに動けてしまう。

割刃があるとガイドになる

刃の後ろに割刃があることで、左に行きたくてもいけない状態でフェンスとの平行を保つことが出来る。

材のガイドの役割をしてくれる。

割刃があると刃にあたらない

キックバックは刃の後方の回転の影響を受けるってことはもうわかったよね。

この割刃は写真のように刃の後方部分をガードするようにセッティングできる。

材が浮いて刃の上に乗ろうとしても割刃があるので乗りずらいことでキックバックの発生を抑える役目がある。

ただし、割刃を刃の頂点まで覆ってしまうと、テーブルソーで様々な加工をする人にとっては不都合がおこる場合があるんだよね。

割刃が刃よりも上に出ていると木材にあたる

木材を切断する場合は問題ないんだけど、ホゾ切りとか、板に溝を作りたい場合などの使い方の場合は割刃が材に当たってしまう。

こういう使い方をした場合は、割刃を刃よりも少し下げなければいけない。

なので、割刃は絶対にこの位置じゃなきゃいけないなんてルールはなく。

木材の切断に使う場合は、割刃は一番上まで出した方が、より安全だし。

溝を作りたい場合は、割刃は刃より少し下げるしかない。

割刃の役割を知って、使用する場面で自分の判断で位置を決める必要がある。

ちなみに、自分は割刃のセッティングをいちいち変えるのが面倒なので、刃より少し下がった状態で使ってる。

私の使用しているテーブルソー「Skil SAW SPT99T-01 8-1/4 Inch Portable Worm Drive テーブルソー」は、刃を昇降すると割刃も一緒に昇降するし、刃を斜めにしても割刃も一緒に斜めになるので、一度セッティングすればOKなので、割刃を外すことはまずないと思う。

キックバック防止があるため割刃(スプリッター)は付けておいたほうが無難だよ。

「スキルソー」はおすすめなので、気になる人は下記記事を見て欲しい。

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キックバック防止ツメ

キックバック防止ツメ

割刃に装着しているのが「キックバック防止ツメ」

これがあるとどんな効果があるのか?

キックバック防止ツメの役割

写真のようにギザギザがあるので、材が戻ろうとしても戻りにくくなっている。

奥に材料を送るのにはなんの問題もない。

割刃の役割の比較

刃の回転の影響で刃の後方では材が浮きやすい、棒かなんかで押さえてもいいんだけど、割刃はバネの力で下に押さえつけられるので材が浮きにくい。

キックバック防止にとても役に立つんだけど、狭い幅で切断した場合の時、このツメが当たってフェンスがそれ以上狭くできなくなる。

取り外しはワンタッチで出来るので、幅の広い材を切るときは取り付けて、狭い幅の時は取り外したり、臨機応変に対応したい。

安全な立ち位置

丸ノコのキックバックの記事でも言ってることなんだけど、

キックバックが起こらないようなやり方、セッティングはするんだけど、

キックバックは起こるものと考えておく。

これめちゃ大事!

どんなに木をつけていても起こる時は起こる。

100%起こらないように出来ないのであれば、起こるものとして考えておく必要がある。

99回は大丈夫だったとしても、1回で大事故になるってのがキックバックの恐ろしさ。

テーブルソーを使用する時の立ち位置の悪い例

刃の直線状に立ってはダメ。

刃とフェンスの間に挟まれた材が矢のように自分に飛んでくる可能性がある。

特に写真のように狭い材を切っていると、切り終わりと同時に飛んでくる。

広葉樹のような硬い材の場合、人間の肉すら貫通するかもしれない。

私も以前、脇腹のあたりに飛んできてTシャツを貫通していったことがある。

幸いかすり傷で済んだけど、1度怖い思いをしたからこそ、立ち位置の重要性がわかった。

できれば皆さんには、こういう怖い思いをして欲しくない。

テーブルソーを使用する時の正しい立ち位置

写真のように自分の体を刃の直線状からずらして切っていれば、仮にキックバックが起こったとしても大事故にはならない。

ただし、刃の直線状に窓などがあると割れてしまったりするので注意。

テーブルソーを窓のない場所に移動するか窓をコンパネなどで閉じてしまった方がいい。

もちろん後ろに人がいないかの確認も重要!

自分は安全な位置を確認して作業をしていても、他の人をケガさせてしまう場合もあるからね。

テーブルソーで幅の狭い材をカットする時は、プッシュスティック(押し棒)で材を押そう。

気軽に端材で作れるプッシュスティックについては下記記事を読んで欲しい。

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作業時の服装

テーブルソーに限らないことなんだけど、回転系の機械を使用する時は服装にも注意した方がいい。

丸ノコ、スライド丸鋸、ボール盤、トリマー、ルーター、自動カンナ、手押しカンナ、などすべてに当てはまる。

テーブルソーを使用する時のダメな格好

こういったヒラヒラするシャツは危ない!

テーブルソーを使用して木材を集中して切ってると、思わず覗きこんだりしてしまう。

そういう時、シャツが刃に巻き込まれる。

巻き込まれていくと、体が刃に寄せられていく。

テーブルソーを使用する時のダメな格好

写真はわざとシャツを近づけているが、これが刃に絡みついたらどうなるかは想像に難しくないと思う。

どうしてもシャツのまま作業をするのであれば、ボタンをしてズボンにINしよう。(ダサいけど)

テーブルソーを使用する時は軍手はダメ

以外と見落としがちなんだけど、回転系の機械を使うときは手袋もダメなんだよね。

手を保護しているイメージがあるから、したほうがいい気すらする。

でも、さっきのシャツと同じ理屈で、もし軍手が刃に触れたら巻き付いていってしまう。

素手なら、「痛!」って瞬間に手を引けばいいのだけど、手袋をして巻き込まれると引くに引けないので大事故になる。

素手でも刃に当たったら、何針か縫う事にはなるとは思うけど、手袋が巻き込まれたとしたら、それぐらいでは済まないと思うよ。

ちなみに、回転する刃に指が当たったことがあるんだけど、その時はサクッと切れる感じじゃなく、「ガン!」って衝撃だった。

冬の寒い時なんかも手袋しがちだけど、回転系の刃の機械を使う時は素手で作業しよう。

まとめ

  • テーブルソーを使う時は、正しい立ち位置で作業するように心がける。
  • キックバックが起こる原理を理解しておく。
  • 狭い材をカットする時は押し棒を使う。
  • 材料が浮かないようにする。
  • 手袋やヒラヒラした服装で作業しない。

幅の狭い材を切る時は、浮かないように手前と奥を押さえる。

もしくは、キックバック防止ツメをつける。

割刃を付けると、それだけでもキックバックの防止になる。

テーブルソーは木工の可能性を広げてくれる半面、使い方を間違えると恐怖のマシンとなりえる。

今回解説したことを実行できるようになれば、便利なマシンとして自分の可能性を広げてくれるんじゃないかな。

それでは安心安全DIYを!

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