丸ノコのキックバック

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安全対策

DIY初心者必見!「丸ノコ」のキックバックを防ぐコツと注意点

木材でDIYをするには木材を切る道具が必要だよね。

最初のうちはノコギリを使って手で切る人も多いかもしれないけど、時間効率とかを考えるようになると電動工具の丸ノコが欲しくなる。

ノコギリなら自分の手を切ってしまった場合はすぐに気づくし、手の力だけなので大ケガはしにくい。

しかし、電動のモーターを駆使して切る丸ノコの場合、気づいたら大ケガってケースがある。

便利と危険は隣り合わせ。

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危険だから使わないってのも一つの手だけど、それではいつまでたってもノコギリしか使えない。

もちろん手鋸で切ることが悪いことじゃないし、実際自分も使ってるけど、手鋸しか選択肢がないとなると効率が相当悪いのは否めないと思う。

要するに適材適所。

話を戻すと、丸ノコでケガや事故が起こる時は、ある現象の時に起こりやすい。

それがキックバックってやつ。

キックバックって言葉は耳にしたことがある人もいるかと思うけど、それがなぜ起こるのかを説明できる人は意外と少ない。

  • キックバックっていう現象はどういったものなのか?
  • どうすれば防げるのか?

などについて解説したいと思う。

キックバックと言う現象と、なぜ起こるのか?を理解していれば安全に使うことが出来るようになる。

キックバックはどんな現象なのか?

キックバック現象

上の写真はイメージだけど、まさにこんな感じで自分に向かってくる!

まず、丸ノコを使用中に起こるキックバックという現象を知り、それがどれだけ怖いものなのかを理解しよう。

丸ノコのキックバックは、丸ノコの刃の回転により刃が引っ掛かったり詰まったりすることで急に逆方向に丸ノコが作業者に向かって戻ってくる現象。

どんなにゆっくり切っていたとしても、キックバックで戻ってくる時は一瞬だったりする。

キックバック対策をしていないと、起こった時に対処を考えている時間なんてない。

考える余裕もないまま、刃物が自分に向かってくるって、考えただけで恐怖だよね。

大きな事故が起こる時は、必ずこのキックバックが関わっていることがほとんどだと思う。

重症を負ったり、場合によっては死亡事故につながるからね。

事故が起きる時の大半は知識の欠如だったり油断だったりするから、正しい使い方と安全対策さえしっかりすれば、とても便利な道具なので怖がらずに使いこなそう。

丸ノコの特性

丸ノコの刃の回転方向

丸ノコの刃の回転方向は下から上に向かうように回転している。

丸ノコのキックバック

写真のように丸ノコで切っている途中で手を離すと丸ノコは作業者の方に暴れながら戻ってくる。

これがキックバックの元になってる。

手で押さえて、切りながら前に押しているから、前に進むように出来てる。

なので、丸ノコで切りながら「あれ?前に進まないなぁ。コードが引っ掛かってるんかな?」なんて考えたりして、よそ見をしたりする時、手の力を抜いてしまうことがある。

そういう状態の時って刃が木材に挟まれている可能性がる。

刃が不安定な状態で、特に後ろの刃が木材に触れた時、そんな時に、キックバックが起こって事故がおきる。

丸ノコは手を離すと暴れながら自分の方に戻ってくる特性あるってことを頭に入れておいて欲しい。

丸ノコの特性を理解したら、次はキックバックが起こりやすい環境や原因について説明したいと思う。

キックバックの原因は何?

木材を置く台(支え)の間隔

悪い例

丸ノコで切る時の材料の悪い置き方

上の写真の材料の真ん中辺りを丸ノコで切る場合、これは悪い置き方となる。

この台の設置の仕方でキックバックが起きやすいのか、起きにくいのが決まる。

なぜこの置き方が悪いのかを見ていこう。

丸ノコで切る場合の材料の悪い置き方

材料の真ん中辺りを切るとした場合、台と台の間が広すぎる。

丸ノコで木材を切る時

木材の上に丸ノコを置きながら切り進めるので丸ノコの重量と、押さえつける力が下方向に加わる。

台と台の間隔が広く、支えがない箇所を切ると、この時点で木材が下に少し沈むので、刃が挟まりやすくなる。

この時点でもうキックバック予備軍。

さらに、木材を途中まで切り進めると、木材自体の強度が弱くなっていくのでさらに沈む。

切ってるんだから当然だよね。

キックバックが起こる仕組みの図

その時、木材と刃がどうなっているかを図にしてみた。

木材が挟まる感じが伝わるんじゃないかな。

通常、丸ノコのような鋸刃は刃だけが当たる状態が一番いいに決まってる。

刃は切れるので、切ることで直進することが出来る。

なのに挟まったらどうか?

刃とは関係ない刃の腹の部分が当たってしまうよね。

キックバックとは切り進ことが出来なくなった時に鋸の腹(のこ身)があたることで起こると言ってもいいかもしれない。

良い例

丸ノコで切る時の正しい台の置き方の図

合板などの規格の1800mm×900mmのような大きい材料を真ん中あたりで切りたい場合などは画像のように角材をしたに敷けば材料が沈まないので鋸刃が挟まり難い。

大きな材料の場合は、切る近くだけじゃなく適切な本数の支えを入れるようにしよう。

その方が材が安定するので、結果として切りやすい。

材の下に置く台(角材など)の厚み(高さ)は同じものでないと意味がないので注意が必要。

丸ノコを置く台の説明図

丸ノコで切っている時に木材が沈まないようになっているかが大事。

図のように支えに角材を置いておけば鋸刃が挟まれてキックバックする可能性は低くなる。

左右どちらかにしか角材を置いてない

悪い例

キックバックが起こりやすい材の置き方の図

上の図では、切っている左側にしか角材を置いてない。

そして、右側の材も大きい。

これもキックバックが起こりやすい置き方なので注意が必要。

キックバックする時の図

角材が置いてない方の材は、半分くらい切った辺りから下がってくる。

そうすると当然、丸ノコの刃を圧迫してしまう。

この時も鋸刃の腹(のこ身)に負荷がかかるのでキックバックが起こる。

1cm以下の木材であれば、それほど影響はないかもしれないが、厚み3cm以上ともなると木材の重量も大きくなるので、鋸刃にかなりの負荷がかかる。

良い例

キックバックが起こりずらい材の置き方の図

丸ノコで切る、左右両方に角材を置くことで木材が下がることを防ぐことができる。

角材の間隔が広すぎると材が沈むってことは先に話したよね。

なので切る場所に置く角材は間隔を狭めるようにする。

キックバックが起こりずらい切り方の図

先ほどの悪い例と同じに見えるかもしれないけど、材料の端を少しだけ切る場合はこれでいい。

キックバックが起こりずらい置き方の図

切り落とす幅が短い場合は、左右に角材を置けない場合がある。

端を少し切り落とすだけであれば丸ノコの刃が挟まることはまずない。

切り落とす材に重量がないので丸ノコのパワーの方が勝りキックバックがおこりずらい。

真っすぐ切れていない

丸ノコを曲げて切るとよくない説明図

鋸刃は真っすぐなので、急に曲げようとすると高負荷がかかる。

自分で曲げてるつもりがなくても、刃が切れなかったり、フリーハンドで切っていると曲がりやすい。

もともとが刃の回転方向は自分に戻ってくるように出来ている丸ノコを木材を切りながら力で直進させているだけにすぎないのだから、刃が切れないと進みぐあいが悪くなる。

それを力づくで進めようとすると曲がりやすい気がする。

刃が極端に向きが変わると鋸刃がしなって屈折する。

そうすると刃でない腹の部分が当たる面積が大きくなる。

切り進むことが出来なくなり、「あれ?」って思って手の力を抜く。

高速で回っている刃でない「のこ身」の部分が当たると回転方向にもっていかれる。

つまりキックバックが起こって自分自身に向かって戻ってくる。

これを防ぐためには、

  • 切れなくなった刃は交換すること
  • 直角ガイドなどを使って切る

刃の交換目安は、切れなくなってくると切り進速度が遅くなるので摩擦で切断面が焦げて黒くなる。

モーターがいつも唸って高負荷がかかっている感じがするなども目安。

スタイロフォームがおすすめ

キックバックが起こりずらいやり方の図

作業テーブルの天板を少し切ってもいいなら図のように切ればキックバックは起こりずらい。

しかし、これだと作業台の天板が傷だらけになる。

天板が合板だとしても、昨今合板の値段も高くなっているので、長持ちさせたいよね。

そこで、おすすめなのがスタイロフォーム。

スタイロフォーム

スタイロフォームってのはこんなやつ。

床の断熱材としようされてるんだけど、切りたい木材の下に敷くのがお勧め。

スタイロフォーム敷いて木材をカット

こんな感じで、木材の厚みより丸ノコの刃を2mmぐらい出して、スタイロフォームごと切ってしまう。

スタイロフォームが2mmほど切れてしまうけど、気にしないでボロボロになるまで使って、材が不安定になるようなら捨てて新しいスタイロフォームを用意する。

写真のスタイロフォームは厚みが5cmあるので、丸ノコの刃を出し過ぎてしまったとしても作業台までは傷つけないですむ。

たまたま窓枠に断熱として使った残りがあるのでそれを使用しただけで、15mmぐらいでもいいと思う。

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大き目のホームセンターに行くとスタイロフォームは売っていて厚みは何種類かあるから、好みの厚みを選べばいいと思う。

ただ、厚くなるほど価格が高い。

厚みがある方が安心だけど、ボロボロになったら取り替えるのでコスパで考えるなら15mmぐらいのものが気軽に使えると思う。

安全対策

ここまでで、キックバックの怖さと、なぜそうなるかは分かって頂けたと思う。

なので、そうならないような材の置き方が大事ってこともわかったよね。

ちょっと矛盾しているようだけど、キックバックが起こらないような準備はするんだけど、キックバックは起こるものと想定しておく!

これめちゃ大事!

刃の後ろには立たない

丸ノコを使う時の正しい立ち位置

丸ノコを使用する時は刃の真後ろに立ってはいけない。

キックバックが起こりずらい準備をしたからと言っても、全体にキックバックが起こらないという保証はない。

100%がないのであれば、正しい準備をした上で「キックバックは起こるのを前提」として自分の身を守らなければならない。

丸ノコを使用する時の正しい立ち位置

写真のように正しい立ち位置で作業していれば、キックバックが起こったとしても大事故を回避することが出来る。

自分の後ろに人がいないかもちゃんとチェックしてね。

丸ノコに慣れてくると、キックバックしやすい環境が感覚でわかってくるのでキックバックはあまりしなくなる。

しなくなるから油断して真後ろに立つ。そして事故がおこる。

最後に身を守るのは、たまに起こるかもしれないことに対しての安全対策だと思う。

逆に正しい立ち位置で切っているなら、大きな事故は起こりにくい。

後側を手で押さえない

丸ノコにガイド定規をつけた写真

長い木材を縦切りする時にガイド定規を装着して切ることもあるかと思う。

丸ノコの後ろを手で押さえてる悪い例

ガイド定規を使って切るとなんとなくやってしまいがちなのが、丸ノコの真後ろを手で押さえてしまう。

これはもはや「僕もう指いらないんで!」と言ってるようなもの。

キックバックがおこったらどうなるか?もうわかるよね。怖いよね?

切った箇所が狭まってキックバック

縦に長く切っていくとノコの刃の厚み分隙間が出来て、そこが何らかの理由で隙間を狭めてしまうと当然、丸ノコの刃を締め付けてしまう。

そうすると刃の腹(のこ身)に負荷がかかってキックバックする。

丸ノコの後ろを手で押さえていると、知らず知らず切った隙間を狭めてしまっているかもしれない。

木材が切ったことによって変形して木材どうしが内に寄ってくることで隙間を狭めてしまうかもしれない。

なので、丸ノコの刃の後ろを手で押さえては絶対にいけない。

まとめ

切る木材の下に角材などの台を置くのは慣れていないと、キックバックが起こりずらいように配置するのは以外と難しいかもしれない。

「こういう時は、こことことに」とか、「このぐらいの大きさの材ならこのぐらいの間隔で何本置けばいい」とか、いちいち考えながらやるのも面倒。

DIY頻度が低いのであれば、スタイロフォームを下に敷くのがお勧め。

何も考えずとも下に敷くだけで安定するからね。

後は、自分の立ち位置や手の置き方に注意するだけで安全に作業することが出来る。

これらを意識しながら少しずつ丸ノコに慣れていけば、「丸ノコはもう怖くない!」

それでは、良いDIYライフを!

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